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非線形計画法

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上の「最適」の定義はどのようなものになるか. 一つの方法として一か月後の利益についての評価関数
上の「最適」の定義はどのようなものになるか. 一つの方法として一か月後の利益についての評価関数
を用いて定義することが考えられる.
を用いて定義することが考えられる.
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この評価関数は 利益<math>l</math>が増加するに従って値が増加する単調増加関数になるであろう. この関数が具体的にどのような単調増加関数
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この評価関数は 利益lが増加するに従って値が増加する単調増加関数になるであろう. この関数が具体的にどのような単調増加関数
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になるのか,これは,投資した株式が購入した価格よりも下がり損をするという危険も覚悟の上で,より高い利益を期待するのか,
になるのか,これは,投資した株式が購入した価格よりも下がり損をするという危険も覚悟の上で,より高い利益を期待するのか,
あるいは,利益は期待しつつも,損出は極力避けたい,むしろ利益は少なくとも損出の可能性を極力小さくしたいとの
あるいは,利益は期待しつつも,損出は極力避けたい,むしろ利益は少なくとも損出の可能性を極力小さくしたいとの
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投資家の心理的問題も大きく影響する.
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投資家の心理的問題も大きく影響し単純には決められない.
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このため ここでは評価関数を微小な正数<math>0 \lt \alpha</math>を使って以下のように定める
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ここでは議論を簡単にするため評価関数を微小な正数<math>0 \lt \alpha</math>を使って以下のように定める
 <math>J(l) = l - \alpha l^2 , l \in [-\infty, \frac{1}{\alpha}]</math>
 <math>J(l) = l - \alpha l^2 , l \in [-\infty, \frac{1}{\alpha}]</math>
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これは利益<math>l</math>が<math>l \lt  \frac{1}{\alpha} </math> である間は単調増加であるが,<math>l</math>が<math>\frac{1}{\alpha} </math>
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に近づくにつれ,曲線の傾斜が0に近づく. 損出の危険をさけるため過大な利益の期待はしないととの投資家心理を反映している

2020年11月21日 (土) 05:55時点における版

ポートフォリオセレクション

資金額wを持つ投資家が株式1,2に資金を一か月間 x1,x2に分けて 分散して投資する.どのように投資すれば「最適」になるかという問題を考える.

株式1,2の現在価格をq1,q2としこれらの一か月後の価格は0の値を取り得る 不確定な値のため 確率変数Q1,Q2で表す。


資金の分散投資 0x1,0x2,x1+x2=w による一か月後の利益は,同様に確率変数

  Z=Q1q1x1+Q2q2x2w=Q1q1x1+Q2q2x2(x1+x2)=L1x1+L2x2  で表さられる.


ここで L1=Q1q1q1,L2=Q2q2q2  である.

上の「最適」の定義はどのようなものになるか. 一つの方法として一か月後の利益についての評価関数 を用いて定義することが考えられる. この評価関数は 利益lが増加するに従って値が増加する単調増加関数になるであろう. この関数が具体的にどのような単調増加関数 になるのか,これは,投資した株式が購入した価格よりも下がり損をするという危険も覚悟の上で,より高い利益を期待するのか, あるいは,利益は期待しつつも,損出は極力避けたい,むしろ利益は少なくとも損出の可能性を極力小さくしたいとの 投資家の心理的問題も大きく影響し単純には決められない.


ここでは議論を簡単にするため評価関数を微小な正数0<αを使って以下のように定める


 J(l)=lαl2,l[,1α]


これは利益ll<1α である間は単調増加であるが,l1α に近づくにつれ,曲線の傾斜が0に近づく. 損出の危険をさけるため過大な利益の期待はしないととの投資家心理を反映している

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