線形計画法(生産計画)

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(生産計画)
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たり造るのに必要な量と, 使用できる在庫量が下の表のように決まっている.
たり造るのに必要な量と, 使用できる在庫量が下の表のように決まっている.
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2020年11月27日 (金) 10:00時点における版

線形計画法は 線形計画法 (Wikipedia)に説明がある.

解法には

シンプレックス法(Wikipedia)や内点法(Wikipedia)がある. シンプレクス法は[菅沼]の解説が判りやすい.

ここでは2つの例を用いて説明する. Microsoft Excel のソルバーを用いた解法例も説明する.

生産計画

例題1

ある製造会社があって, \(x\)と\(y\)という2種類の製品の製造販売をしている. これらを製造するには, 原材料\(A\),\(B\),\(C\)が必要で, \(x\), \(y\)をそれぞれ1単位当 たり造るのに必要な量と, 使用できる在庫量が下の表のように決まっている.

オレンジ りんご 12,333.00
パン パイ 500.00
バター アイスクリーム 1.00

\(x\), \(y\)を販売するとそれぞれ1単位当たり2万円, 1万円の利益が得られる. 問題は, 表の在庫量の範囲で, \(x\)と\(y\)をそれぞれ何単位ずつ造れば利益が最大に なるかである。


線形計画法(1)

これを数式化すると, \(x\), \(y\)の製造量を\(x\), \(y\)で表すとして:

原材料\(A\), \(B\), \(C\)についての制約から

\( 10x+20y\leq 400 \qquad (1) \\ 20x+10y\leq 600 \qquad (2) \\ 15x+40y\leq 1300 \qquad (3) \)

負の生産量はないのであるから

\( 0\leq x \qquad (4) \\ 0\leq y \qquad (5) \\ \)

利益は

\( f(x,y)=2x+y \qquad (6) \)

で結局, (6)を\((1)\sim (5)\)の条件のもとで最大にすることになる。


下の図は関数\(f(x,y)=2x+y\)の図である。

(図1.0)

条件\((1)\sim (5)\)を充たす点\(P=(x,y)\)は 下のような,凸多角形の境界線も含めた内部にある。

(図1.1)

この凸多角形の頂点を \( P_0=(x_0,y_0),P_1=(x_1,y_1),P_2=(x_2,y_2),P_3=(x_3,y_3),P_4=(x_4,y_4) \) とすると,

内部の点\(P=(x,y)\)はこれらの頂点\(P_i=(x_i,y_i),i=0,1,2,3,4\)によって


\( (1) \qquad P=\lambda_0 P_0 + \lambda_1 P_1+\lambda_2 P_2+\lambda_3 P_3+\lambda_4 P_4 \\ (2) \qquad \lambda_0 + \lambda_1 +\lambda_2 +\lambda_3 +\lambda_4 =1 \\ (3) \qquad 0 \le \lambda_0 \le 1,~~0 \le \lambda_1 \le 1,~~2 \le \lambda_2 \le 1, 0 \le \lambda_3 \le 1,~~0 \le \lambda_4 \le 1 \)


で表される。これを\(P_i=(x_i,y_i),i=0,1,2,3,4\)の凸結合という.

\( f(x,y)=2x+y \qquad (6) \)

には「線形性」が成り立っている.

これは \( P=(x,y),Q=(x',y') \)

と\(\alpha,\beta\)について,

\( f(\alpha P+ \beta Q)=f(\alpha (x,y)+\beta (x',y')) =\alpha f(x,y)+\beta f(x',y')=\alpha f(P)+\beta f(Q) \)

という性質である。この線形性を使うと,以下の議論ができる。


まず各頂点での関数\(f\)の値

\( f(P_i)=f(x_i,y_i),i=0,1,2,3,4 \)

のうち最大値を\(f(P_*)=f(x_*,y_*)\)とする.

凸多角形の内の任意の点\(P=(x,y)\)に対する\(f(P)=f(x,y)\)は

\(P\)が\(P_i=(x_i,y_i),i=0,1,2,3,4\) の凸結合で表されることから

\( f(P)=f(\lambda_0 P_0 + \lambda_1 P_1+\lambda_2 P_2+\lambda_3 P_3+\lambda_4 P_4)\)

さらに\(f\)の線形性から

\( 右辺=\lambda_0 f(x_0,y_0) + \lambda_1 f(x_1,y_1) +\lambda_2 f(x_2,y_2)+\lambda_3 f(x_3,y_3)+\lambda_4f(x_4,y_4) (fの線形性) \)


\(f(P_*)=f(x_*,y_*)\)が最大で,(3)のように各\(\lambda_i\)は正の数(\(1 \ge \lambda_i \ge 0\))であるから,

\( 右辺\le (\lambda_0 + \lambda_1 +\lambda_2 +\lambda_3 +\lambda_4)f(x_*,y_*)\\ \)


さらに,(2)から

\( \lambda_0 + \lambda_1 +\lambda_2 +\lambda_3 +\lambda_4= 1 \)

\( f(P)=f(x,y) \le f(x_*,y_*)=f(P_*) \)

となる。結局,関数\(f\)の制約条件を表す凸多角形の内部(境界を含む)の点全てを調べる必要がなく、

頂点での関数\(f\)の値を調べれば良いことが判る.


(図1.2)ファイル:Fig1.2.gi

\((1)\sim(5) \)式のように変数に関する制約条件式が1次式で与えられ, \((6)\)式のように評価関数も1次式で与えられる問題は線形計画法と呼ばれる.

線形化計画法の代表的な解法であるシンプレクス法は,制約条件を表す凸多角形の頂点での 関数\(f\)の値を効率的に調べる方法である。 適当な,頂点から始め,関数\(f\)の値が増大する頂点へ次々移動して,最大解を探す.

この他に,凸多角形の内部の点から,最大解を与える頂点を探索する内点法もある。


例題2

ある企業では製品A,B,Cを原料Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ用いて生産している. 製品A,B,C の1単位当たり利益をそれぞれ80,110,95とする.  また, 製品A,B,Cを1単位生産するのに必要な原料Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳのそれぞれ量と使用可能な上限が次の表で与えられる. これらの条件のもとに,利益を最大にするには製品A,B,Cをそれぞれ,どれだけ生産すれば良いか?.


この問題も例題1と同じように以下のように数学的に定式化される.

線形計画法(2)

製品A,B,Cをそれぞれ\(x_1,x_2,x_3\) 単位生産するとき\(x_1,x_2,x_3\)は以下の不等式を満たす.

\( 4x_1+0x_2+7x_3 \leq 90 \\ 1x_1+3x_2+9x_3 \leq 60 \\ 6x_1+0x_2+14x_3 \leq 110 \\ 4x_1+10x_2+1x_3 \leq 75 \qquad (1) \)

さらに各製品生産量は負ではないから

\( 0 \leq x_1,0 \leq x_2,0 \leq x_3 \qquad (2)  \)

この制約条件のもとに

\( L\left(x_1,x_2, x_3 \right)=80x_1+110x_2+95x_3 \qquad (3)   \)

を最大にする\(x_1,x_2, x_3\)を求めよ.


この問題の解法にはシンプレックス法内点法がある. シンプレクス法は[菅沼]の解説が判りやすい.


この問題を解くのにはMicrosoft Excelのソルバーや フリーソフトのOpen Office で提供されるソルバーと同等の機能をもつソフトを用いることができる.

この問題のMicrosoft Excelのソルバーによる解法例を示す。 ファイル:生産計画.pdf

ファイル:LP-Fig.1.jpg

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