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物理/熱とエネルギー

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( シャルルの法則 )
( ボイル・シャルルの法則 )
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ボイルの法則とシャルルの法則から、それらを統合した次の法則が証明できる。
ボイルの法則とシャルルの法則から、それらを統合した次の法則が証明できる。
*[[wikipedia_ja:ボイル=シャルルの法則|ウィキペディア(ボイル・シャルルの法則)]]
*[[wikipedia_ja:ボイル=シャルルの法則|ウィキペディア(ボイル・シャルルの法則)]]
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なお、この解説中のkは、気体の量を1モルにしておけば、気体の種類に関係なく決まる定数である。気体定数と呼ばれ、Rと書かれる。<br|> 
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そこで1モルの理想気体では、PV=RT (T=t+273.15)が成立する。
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気体の質量が1モルのときは、気体の種類に関係なく決まる気体定数Rのこと。<br|> 
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この法則によれば圧力Pが有限の理想気体はT=0KではV=0になってしまうが、実在の気体では、Tが小さくなると液化してしまう。この法則はあくまで近似法則である。<br|>
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(注)モル(mole)とは、[[wikipedia_ja:分子量|分子量]]にグラムをつけた量であり、グラム分子ともいう。<br|>
(注)モル(mole)とは、[[wikipedia_ja:分子量|分子量]]にグラムをつけた量であり、グラム分子ともいう。<br|>
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1モルの物質は、その物質の種類によらず同じ個数の分子からできている。
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1モルの物質は、その物質の種類によらず同じ個数の分子からできている。<br|>
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この個数Nをアボガドロ数という。N=6.02×1023である。
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この個数Nをアボガドロ数という。N=6.02×1023である。<br|>
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気体定数は、実測によると
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気体定数は、実測によると<br|>
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*[[wikipedia_ja:気体定数|ウィキペディア(気体定数)]] を参照のこと。
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である。詳しくは
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*[[wikipedia_ja:気体定数|ウィキペディア(気体定数)]] 
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を参照のこと。<br|>
なお、気体を構成する分子の間に相互作用がない仮定した理想気体では、分子運動論からこの法則を導ける。次章で学ぶ。
なお、気体を構成する分子の間に相互作用がない仮定した理想気体では、分子運動論からこの法則を導ける。次章で学ぶ。

2015年2月4日 (水) 15:45時点における版

物理熱とエネルギー

目次

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解説

この章では、熱に関する理論を学ぶ。これは熱力学とよばれる。熱力学は熱機関の発明・改良のなかから生まれ発展した。力学、電磁気学とならんで古典物理学の柱となっている。
 あらゆる物質は、膨大な数の原子・分子から構成され、これらは、絶えず無秩序の運動(熱運動という)を行っている。この運動が全ての熱現象の本質である。
しかしこの章では、原子・分子の運動に立ち入らずに物体を連続体として考えたマクロな熱現象を支配する法則を調べ、次章でそれらを原子・分子の運動から考察する。

 温度

物体が熱いとか冷たいという感覚を定量化した概念。熱平衡という概念を利用して温度を数値化する。これによって初めて熱現象の正確な法則を調べることが出来るようになった。
それではどのようにして数値化するのか。 次に述べる熱平衡という概念と熱力学の第0法則を利用する。

 熱平衡(熱力学的平衡ともいう)

2つの物体を接触させると、最初のうちは、熱いほうはだんだん冷たくなり、冷たいほうはだんだん熱くなるが、十分に時間がたつと、この変化は無くなる。この時2つの物体は熱平衡に達したという。

 熱力学の第0法則

経験や実験によって、物体AとB、BとCがそれぞれ熱平衡ならば、AとCも熱平衡にあることが知られている。

 2つの物質の温度が等しいとは?

2つの物体を接触させても、両者の熱さや冷たさに変化がおこらない(すなわち熱平衡にある)とき、2つの物体の温度は等しいという。熱力学の第0法則により、AとB、AとCが同じ温度ならば、BとCも同じ温度になり、温度はきちんと定義できるのである。

 温度の数量化の方法

 熱膨張 

物質(固体、液体、気体)は温度上昇にともなって長さや体積が膨張する。その理由は物質を構成している分子や原子の熱運動が大きくなって、互いに離れていくためである。

 寒暖によって変化する物質の性質を利用した温度の数値化 

物質の暖かさの度合いによって変化する性質(体積とか電気抵抗など)を利用して、温度を数値化出来る。
 例えば水銀は温度上昇に伴い体積が増えるので水銀柱は温度の上昇で高くなる。そこで、一気圧のもとで、氷がとけて水と共存しているとき、これと水銀計を接触させ熱平衡状態になったときの水銀柱の高さに0度(水の融点の温度)、1気圧のもとで沸騰している水と熱平衡になっている水銀柱の高さに100度(水の沸点温度)をふり、その間を100等分すると、水銀温度計による摂氏温度が得られる。℃で表す。
 水の融点の温度を32度、沸点を212度としその間を180等分した温度は華氏温度と言い、°F で表す。

 理想気体による温度と熱力学的温度

水銀柱を用いた温度は、水銀の膨張の仕方が温度によって異なるため正確ではない。
  正確な温度計測には、温度による膨張の仕方が一定である理想気体(実際にはそれにきわめて近い気体)を用いた温度が使われる。
この温度は、気体温度と呼ばれる。
気体温度では、水の融点温度が273.15度になる絶対温度[K]が使われる。
後で理由を学ぶが、摂氏温度t[℃]と絶対温度T[K]は、
T[K]=(t+ 273.15 )[℃] という関係にある。
全ての物体の温度はT>=0である。

理想気体という架空の物質を使うことなく、熱力学的に温度を定めることも出来る。
理想気体で決めた絶対温度と同一になる。これについては大学で学ぶ。

 熱

温度の高い物体を低い物体に接すると前者は冷えて行き、後者は暖まって行く。長い間この原因は不明であった。
 熱の素(熱素、カロリック)という物質が、温度の高いものには沢山ありこれが温度の低い物体に移動するというカロリック説が一時は有力であった。

 カロリック説の否定、熱は熱運動エネルギーの流れ

しかしこれは誤りであり、前者から後者へ(分子・原子の熱運動エネルギー)が移動しているためであると分かった。この移行するエネルギーを熱という。

現在、熱とは、

 熱量の単位

熱はエネルギーの一形態(エネルギーの流れ)なので、エネルギーと同じくジュールJが単位となる。

 熱の3つの伝わり方

①熱伝導 ウィキペディア(熱伝導) ②熱の対流  ウィキペディア(対流) ③放射(輻射)ウィキペディア(熱放射)

 比熱と熱容量 

物体の温度を1℃(=1K)上昇させるのに必要な熱量をその物体の熱容量という。単位はJ/℃ あるいはJ/Kである。
 詳しくは物質の体積を一定に保ったまま温度を1Kあげるのに必要な熱量(定積熱容量)と圧力を一定に保ったまま1K上げるのに必要な熱量(定圧熱容量)がある。

物質1gあたりの熱容量を、その物質の比熱と呼ぶ。単位はJ/K・g。これも正確には定積比熱と定圧比熱がある。


 気体の熱的性質

 気体の圧力 

膨大な数の気体分子は激しく動き回っていて、気体中におかれた物体の面に常に多数が衝突して跳ね返っている。この時物体の面は気体分子から力を受ける。
 単位面積の面に働く力を気体の圧力という。詳しくは次章で学ぶ。

 ボイルの法則 

一定の質量mの気体は、温度t℃を一定に保った状態では、
  その圧力pと体積Vの積pVは一定(温度と質量だけの関数f(t,m))になる
  という、ボイルの法則が近似的に成り立つことが実験等で確かめられている。
記号で書くと、pV=f(t,m)

 シャルルの法則 

一定の質量の気体の圧力pを一定に保った状態では、
その体積Vと温度Cの間には
次のシャルルの法則が近似的に成り立つことが実験等で確かめられている。
  なお、この解説中のT[K]は、t℃ + 273.15 のことである。

 ボイル・シャルルの法則 

ボイルの法則とシャルルの法則から、それらを統合した次の法則が証明できる。

なお、この解説中のKは、
気体の質量が1モルのときは、気体の種類に関係なく決まる気体定数Rのこと。
  1モルの理想気体では、
pV=RT273.15)が成立する。
この法則によれば理想気体はT=0KではV=0になってしまうが、
実在の気体では、Tが小さくなると液化してしまう。この法則はあくまで近似法則である。
(注)モル(mole)とは、分子量にグラムをつけた量であり、グラム分子ともいう。
1モルの物質は、その物質の種類によらず同じ個数の分子からできている。
この個数Nをアボガドロ数という。N=6.02×1023である。


気体定数は、実測によると
R=8.31[/MolK] [[wikipediaja:|]] ===  === == ========18192[[wikipediaja:|]]===  ======  ===[[wikipediaja:|]]  2========Δ×Δ[[wikipediaja:()|()]] ==============調==========================2 ==,2[[wikipediaja:|]]  2[[wikipediaja:2|2]]===  ===========[[wikipediaja:|]]===== =====辿[[wikipediaja:|]]使辿========2[[wikipediaja:()|()]]========使======================22========T_1T_2{{\frac{Q_1}{T_1}=\frac{Q_2}{T_2} }}T_1T_2{{\frac{Q_1}{T_1}<\frac{Q_2}{T_2} }}{{\frac{Q}{T}}$ という重要な概念が導入された。これ以上は難しいので大学で学ぶことになりますが、興味のある方は以下を参照のこと。

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