世界取引事情/輸出力の功罪
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A国の産品bの供給者とB国の産品aの供給者2人で、すべて必要な品を両国民に供給できてしまう。 | A国の産品bの供給者とB国の産品aの供給者2人で、すべて必要な品を両国民に供給できてしまう。 | ||
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== '''打ちこわしや武器商人''' == | == '''打ちこわしや武器商人''' == |
2017年12月4日 (月) 09:31時点における版
世界取引事情 > 輸出力の功罪
国の輸出品
各国は何らかの輸出品を持っている。 それは時代と共に輸出力に盛衰がある。
フランスはワインの輸出で有名であるが、スペインやアメリカや中国でも輸出するようになり、 その輸出優位性はかつてほどではない。 とはいえ、圧倒的な輸出優位性を保っている。
果実のような農産物の輸出品は、国ごとにそれほど盛衰はないようである。
国の産業の盛衰を考えるとき、一番の代表例は戦前戦後の日本であろう。戦前の日本では
蚕糸業が盛んであった。 それが第2次大戦により衰えてしまったことは前章で述べた通りである、
日本の産業で戦争の影響を受けたものと言えば、造船業をあげなくてはならない。
https://www.jsanet.or.jp/data/items/r_02.html
JSA日本船主協会
日本は第一次大戦時、世界の先進国の商船不足の時節に商船の造船が盛んになされた。
しかし第一次大戦が終わると、
「貿易の不振で運賃は低落し、長く海運界は低迷を続けました。昭和6年(1931)、金輸出の再禁止で円為替が下落したのがきっかけとなって輸出が増大し、海運界はやっと健全な経営状態を回復します。
この時代は大型優秀船建造ブームの時代で、日本の高速貨物船や豪華客船などが覇を競い、太平洋や南方で外国船を圧倒しました。」
しかし第2次大戦が始まると自由な商船の活躍ができなくなり、軍用に商船が徴用されて
しまうのである、
輸出力は善か?
日本のように、国民が、輸出力=国力 だと思っている国に住んでいると間違えることがある。
例えば、 世界にA国とB国しか無いとしよう。A国の主要産業はaであって、国民の99%が従事しているとする。
またB国の主要産業はbであってやはり国民の99%が従事しているとする。
更にA国には産業bもあるがA国の国民にしかbを供給していないとする(従事者は少数で、bはとても安い)。
B国にも産業aがあるがB国の国民にしか供給していないとする(やはり従事者な少数で、aはっとても安い)。
人間には産品aと産品bは不可欠であるとする。
このような前提があるときにA,B両国が自由貿易を始めたらどういうことが起きるだろうか?
A国の産品bの供給者とB国の産品aの供給者2人で、すべて必要な品を両国民に供給できてしまう。
両国の2人の供給者は大もうけできるが、両国民の99%は職を失い、餓死しかねない!
打ちこわしや武器商人
前節のように大多数の国民が飢えてしまうような場合、歴史的には「打ち壊し」というような暴動がおきた。
やがて人々は新しいビジネスを考案し、産品a,b の他に産品cやdやe を創造して経済の規模を大きくした。
しかしそうそう新しい必要産品が生まれるわけではない。 そのようなとき武器商人があらわれ、内乱や侵略戦を すすめ、武器を売り込む。
武器はとめどなく売れ、両国民は子供も大人も殺され、最後には最初の2人の供給勝利者も滅んでしまう。