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物理/解析入門(3)関数列の項別の積分・微分、 級数・冪級数及び可微分関数のテイラー展開

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= 7.5 解析入門(3)関数列の項別の積分・微分、 級数・冪級数及び可微分関数のテイラー展開=
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== 序 ==
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== 関数列・関数族の項別積分と項別微分  ==
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=== 関数列・関数族の項別積分と項別微分   ===
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=== 関数列の各点収束 ===
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==== 項別積分定理  ====
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定義1(各点収束)<br/>
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==== 項別微分定理  ====
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集合A上で定義されたRm値の関数の列 (fn)nNが<br/>
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A上で定義されたRm値の関数f に各点収束するとは、<br/>
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任意のxAに対して、Rmの中の数列(fn(x))nNf(x)に収束すること。<br/>
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すなわち、<br/>
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(x)(xAlimn (注参照)<br/><br/>
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(注) m次元ベクトルのノルムとしては通常はユークリッドノルム(2乗ノルム)を用いるが、<br/>
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p乗ノルム(p \geq 1)や無限大ノルムでも良い。<br/>
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[[物理/平面と空間,ベクトル#一般のノルムの定義とノルムの同等性|一般のノルムの定義とノルムの同等性]]を参照のこと。
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=== 関数列の一様収束 ===
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==== 関数の一様ノルム   ====
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定義2(有界関数と一様ノルム)<br/>
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集合A上で定義され、\bf{R^m}の値をとる関数fを考える。<br/>
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1)関数fが有界とは、<br/>
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fの値域\{f(a)|a \in A \}(\subset \bf{R^m})\bf{R^m}の有界集合であること。<br/>
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すなわち、ある正数Mが存在し、\|f(a)\| \lt M \quad (for \forall a \in A)。<br/>
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2)有界関数fの一様ノルム\|f\|_{\infty}とは<br/>
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\|f\|_{\infty} \triangleq \sup_{a \in A}\| f(a)\|<br/>
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定義3(一様コーシー列)<br/>
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集合A上で定義された\bf{R^m}値の関数の列 (f_{n})_{n\in N}が<br/>
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A上で定義された\bf{R^m}値の関数f に一様収束するとは、<br/>
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$\lim_{n \to \infty}\|f-f_n\|_{\infty} = 0$ <br/><br/>
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定理1<br/>
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集合A上で定義された\bf{R^m}値の関数の列 (f_{n})_{n\in N}が<br/>
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A上で関数f に一様収束するするならば、各点収束する。<br/>
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定理2<br/>
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n次元空間の部分集合A上で定義された\bf{R^m}値の連続関数の列が一様コーシー列をなすならば、連続関数に一様収束する。<br/>
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定理3<br/>
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n次元空間の部分集合A上で定義された\bf{R^m}値の連続関数の列が、関数fに一様収束するならば、関数fは連続関数である。<br/>
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定理1の逆は一般に成立しないが、いくつかの条件を付ければ成立する。<br/>
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その準備のために、コンパクト集合について説明する。
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=== コンパクト集合===
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==== 集合の内点、集合の触点と閉包、開集合と閉集合、全有界集合 ====
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定義<br/>
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A\subset {\bf{R^n}}とすると、次の3条件は同値である。<br/>
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2)Aの点列が収束するならば、その極限はAの点である。<br/>
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証明<br/>
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==== ハイネ、ボレルの定理    ====
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定理4(ハイネ、ボレルの定理)<br/>
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もし、開区間の集合\mathcal{O} = \{ I_{\alpha}=(a_{\alpha},b_{\alpha})|\alpha \in \Lambda \}が、有界閉区間Iを被覆するならば、<br/>
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(すなわち、\cup_{\alpha \in \Lambda} I_{\alpha}\supset Iならば)<br/>
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\mathcal{O} のなかに<br/>
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次のような、I の中の部分集合Mを考える。<br/>
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M = \{x \in I | [a,x]が有限個の部分被覆\mathcal{O_{f}}を持つ \}<br/>
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Mは非空で上に有界な集合なので、実数の連続性の公理から、上限m (\in I)をもつ。<br/>
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2)m \lt b と仮定する。この時矛盾が生じることを示す。<br/>
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正数 \delta \lt \epsilon を選べば、<br/>
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すると、\mathcal{O_{f}}I_{m}を加えた有限部分集合族は閉区間[a,m]を被覆する。<br/>
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これは、m が有限部分被覆できる閉区間[a,x]の右端xの上限値であることに矛盾する。<br/>
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この定理はn次元ユークリッド空間の有界閉区間にも拡張できる。<br/>
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2次元の有界閉区間 I^{2}= [a,b]\times [a',b'] を考える。<br/>
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=== 項別積分定理  ===
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一様収束という条件は大変厳しく、多くの例では各点収束という条件しか満たさない。<br/>
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ルベーク積分では極限操作と積分操作は非常に緩い条件のもとで交換可能であり、
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大きな武器になっている。<br/>
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しかし、リーマン積分でも連続関数に限定すれば、以下の強力な定理が成り立つ。<br/>
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アルゼラの定理(連続関数に各点収束する一様に有界な連続関数列の収束定理)<br/>
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☆☆証明<br/>
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[[wikipedia_ja:フェリックス・ハウスドルフ |ハウスドルフ]]による、高校と大学教養課程の数学だけを使った、技巧的な証明を紹介する(注参照のこと)。<br/>
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(注) 出典は 岩波講座 基礎数学 解析入門Ⅱ 小平邦彦 pp.222~ 226
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=== 項別微分定理  ===
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== 級数と収束  ==
== 級数と収束  ==
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=== 無限級数の収束性  ===
=== 無限級数の収束性  ===
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==== 条件収束と絶対収束  ====
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==== 収束条件 ====
==== 収束条件 ====
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1)条件収束する実級数は、項の順番の入れ替えで、任意の実数に収束させることができる。<br/>
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2)条件収束する実級数は、項の順番の入れ替えで、\pm \inftyに発散させられる。<br/>
===== 正項級数の収束条件 =====
===== 正項級数の収束条件 =====
== 整級数(幕級数) ==
== 整級数(幕級数) ==
=== 整級数と収束  ===
=== 整級数と収束  ===
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==== 収束半径 ====
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定理(コーシー・アダマールの定理)<br/>
==== 項別微分定理  ====
==== 項別微分定理  ====
==== 整級数の微分可能性  ====
==== 整級数の微分可能性  ====
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== 高階微分微分可能関数の整級数近似(テイラー展開) ==
== 高階微分微分可能関数の整級数近似(テイラー展開) ==
微分可能な関数 f(x) の導関数 f'(x) (あるいは\frac{df(x)}{dx}) が微分可能ならば、<br/>
微分可能な関数 f(x) の導関数 f'(x) (あるいは\frac{df(x)}{dx}) が微分可能ならば、<br/>

2018年5月26日 (土) 08:18 時点における最新版

目次

[非表示]

7.5 解析入門(3)関数列の項別の積分・微分、 級数・冪級数及び可微分関数のテイラー展開

 関数列・関数族の項別積分と項別微分

 関数列の各点収束 

定義1(各点収束)
集合A上で定義された\bf{R^m}値の関数の列 (f_{n})_{n\in N}
A上で定義された\bf{R^m}値の関数f に各点収束するとは、
任意のx \in Aに対して、\bf{R^m}の中の数列(f_{n}(x))_{n\in N}f(x)に収束すること。
すなわち、
(\forall x)(x \in A \rightarrow \lim_{n \to \infty}\|f(x)-f_n(x)\|_{\infty} = 0 (注参照)

(注) m次元ベクトルのノルムとしては通常はユークリッドノルム(2乗ノルム)を用いるが、
p乗ノルム(p \geq 1)や無限大ノルムでも良い。
一般のノルムの定義とノルムの同等性を参照のこと。

 関数列の一様収束 

 関数の一様ノルム

定義2(有界関数と一様ノルム)
集合A上で定義され、\bf{R^m}の値をとる関数fを考える。
1)関数fが有界とは、
fの値域\{f(a)|a \in A \}(\subset \bf{R^m})\bf{R^m}の有界集合であること。
すなわち、ある正数Mが存在し、\|f(a)\| \lt M \quad (for \forall a \in A)
2)有界関数fの一様ノルム\|f\|_{\infty}とは
\|f\|_{\infty} \triangleq \sup_{a \in A}\| f(a)\|

定義3(一様コーシー列)

定義4(一様収束)
集合A上で定義された\bf{R^m}値の関数の列 (f_{n})_{n\in N}
A上で定義された\bf{R^m}値の関数f に一様収束するとは、
\lim_{n \to \infty}\|f-f_n\|_{\infty} = 0


定理1
集合A上で定義された\bf{R^m}値の関数の列 (f_{n})_{n\in N}
A上で関数f に一様収束するするならば、各点収束する。

定理2
n次元空間の部分集合A上で定義された\bf{R^m}値の連続関数の列が一様コーシー列をなすならば、連続関数に一様収束する。
定理3
n次元空間の部分集合A上で定義された\bf{R^m}値の連続関数の列が、関数fに一様収束するならば、関数fは連続関数である。

定理1の逆は一般に成立しないが、いくつかの条件を付ければ成立する。
その準備のために、コンパクト集合について説明する。

 コンパクト集合

 集合の内点、集合の触点と閉包、開集合と閉集合、全有界集合 

定義
定理
A\subset {\bf{R^n}}とすると、次の3条件は同値である。
1)Aは閉集合
2)Aの点列が収束するならば、その極限はAの点である。
3){\bf{R^n}} におけるAの補集合A^{c}\triangleq \{x\in {\bf{R^n}}|x \notin A\}は開集合
証明

定理
A\subset {\bf{R^n}}とすると、次の2条件は同値である。
1)Aは有界集合
2)Aは全有界集合
証明

 ハイネ、ボレルの定理

定理4(ハイネ、ボレルの定理)
 I = [a,b],\quad (a \leq b)を有界な閉区間とする。
もし、開区間の集合\mathcal{O} = \{ I_{\alpha}=(a_{\alpha},b_{\alpha})|\alpha \in \Lambda \}が、有界閉区間Iを被覆するならば、
(すなわち、\cup_{\alpha \in \Lambda} I_{\alpha}\supset Iならば)
\mathcal{O} のなかに
I を被覆する有限個の開集合の族\mathcal{O_{f}}=\{ I_{\alpha_{i}}|\alpha_{i} \in \Lambda ,i=1,2,\cdots,n)が存在する。すなわち、
\cup_{i=1}^{n}I_{\alpha_{i}}\supset I 
証明
a = b ならば、定理は自明なので、a \lt b と仮定して証明する。
次のような、I の中の部分集合Mを考える。
M = \{x \in I | [a,x]が有限個の部分被覆\mathcal{O_{f}}を持つ \}
a \in M は自明、
Mは非空で上に有界な集合なので、実数の連続性の公理から、上限m (\in I)をもつ。
m \gt a は自明である。
1) m = b のとき
\mathcal{O}は区間Iを被覆するので、ある開区間I_{m}(\in \mathcal{O})が存在して、
m \in I_{m}
mは集合Mの上限なので、
ある数\underline{m}\lt m,\quad \underline{m}\in I_{m}が存在して
[a,\underline{m}]は有限部分被覆をもつ。
この有限部分被覆にI_{m}を加えた、\mathcal{O} の有限部分集合族は 区間Iを被覆する。
2)m \lt b と仮定する。この時矛盾が生じることを示す。
a \lt m \lt b となるので、
ある正数 \epsilonが存在して、
(m-\epsilon, m+\epsilon )\subset [a,b] \cap I_{m}
正数 \delta \lt \epsilon を選べば、
[m-\delta, m+\delta] \subset (m-\epsilon, m+\epsilon )\subset [a,b] \cap I_{m}
mは集合Mの上限なので、半開、半閉区間 (m-\delta, m]の中にある点 \underline{m}が存在して、
閉区間[a,\underline{m}]は有限個の部分被覆\mathcal{O_{f}}をもつ。
すると、\mathcal{O_{f}}I_{m}を加えた有限部分集合族は閉区間[a,m]を被覆する。
式(a)から、この部分被覆は
[a, m+\delta] を被覆してしまう。
これは、m が有限部分被覆できる閉区間[a,x]の右端xの上限値であることに矛盾する。
\qquad \qquad \qquad \qquad \qquad \qquad \qquad \qquad \qquad \qquad \qquad \qquad \Box
この定理はn次元ユークリッド空間の有界閉区間にも拡張できる。
2次元の場合のみ示す。
定理5
2次元の有界閉区間 I^{2}= [a,b]\times [a',b'] を考える。
もし、有限開区間の集合\mathcal{O} = \{ I_{\alpha}=(a_{\alpha},b_{\alpha})\times (a'_{\alpha},b'_{\alpha})|\alpha \in \Lambda \}が、有界閉区間I^{2}を被覆するならば、
(すなわち、\cup_{\alpha \in \Lambda} I_{\alpha}\supset I^{2}ならば)
\mathcal{O} のなかに
I^{2} を被覆する有限個の開集合の族\mathcal{O_{f}}=\{ I_{\alpha_{i}}|\alpha_{i} \in \Lambda ,i=1,2,\cdots,n)が存在する。すなわち、
\cup_{i=1}^{n}I_{\alpha_{i}}\supset I^{2} 

証明
一次元の場合と同様。省略。


 点列コンパクト集合 

定義
定理


 コンパクト集合 

定義
定理
次の条件は同等である。
1)
2)
3)
4)
証明

定理
コンパクト集合の上で連続な実数値関数は、この集合上で最大値と最小値をとる。
証明

定理
コンパクト集合上の連続関数は一様連続である。
証明

定理(ディニの定理)
証明

 項別積分定理  

定理(一様収束の場合の項別積分定理)
証明

一様収束という条件は大変厳しく、多くの例では各点収束という条件しか満たさない。
ルベーク積分では極限操作と積分操作は非常に緩い条件のもとで交換可能であり、 大きな武器になっている。
しかし、リーマン積分でも連続関数に限定すれば、以下の強力な定理が成り立つ。
アルゼラの定理(連続関数に各点収束する一様に有界な連続関数列の収束定理)
☆☆証明
ハウスドルフによる、高校と大学教養課程の数学だけを使った、技巧的な証明を紹介する(注参照のこと)。
(注) 出典は 岩波講座 基礎数学 解析入門Ⅱ 小平邦彦 pp.222~ 226

 項別微分定理  

定理

 級数と収束

定義

 上極限と下極限 

無限級数の収束性

 条件収束と絶対収束

定義
定理(級数の収束と同等な条件)
証明


級数 \sum_{n}a_{n} が収束すれば \lim_{n\to \infty}a_{n} = 0  

定理
級数が絶対収束すれば、条件収束する。
定義(級数の項の入れ替え)
定理
1)級数が絶対収束すれば、級数の和は、項の順番を入れ替えても変わらない。
2)条件収束する級数は、項の順番を入れ替えると和が変えられる。

 収束条件 

定理
1)条件収束する実級数は、項の順番の入れ替えで、任意の実数に収束させることができる。
2)条件収束する実級数は、項の順番の入れ替えで、\pm \inftyに発散させられる。

 正項級数の収束条件 

整級数(幕級数) 

 整級数と収束  

 収束半径 

定理(コーシー・アダマールの定理)

 項別微分定理  

 整級数の微分可能性  

高階微分微分可能関数の整級数近似(テイラー展開)

微分可能な関数 f(x) の導関数 f'(x) (あるいは\frac{df(x)}{dx}) が微分可能ならば、
その導関数 (f')'(x) (あるいは\frac{d^{2}f(x)}{dx^2}) が考えられる。
これをfの2階の導関数という。
例えば、変数tの関数 f(t) が時刻tの質点の位置とすると、
その導関数は速度、2階導関数は加速度を表すことを第2章の力学で学んだ。
さらに高階の微分が可能な関数を考え、その性質を考察しよう。

 テイラー展開とテイラーの定理

テイラー展開、テイラー級数についての入門書は

より高度なテイラーの定理などは以下の記事を。但し証明はない。

そこでテイラーの定理について説明する。

 テイラーの定理  RT

個人用ツール