職業家庭/人は誰でも個人として尊重され生命、自由、幸福追求の権利を持つ
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(→ 誰でも幸福な人生を送る権利がある) |
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特筆すべきは、この条約で児童は「保護の対象」としてではなく「権利の主体」として扱われていることである。 | 特筆すべきは、この条約で児童は「保護の対象」としてではなく「権利の主体」として扱われていることである。 | ||
*[[wikipedia_ja:児童の権利に関する条約 |ウィキペディア(児童の権利に関する条約)]] | *[[wikipedia_ja:児童の権利に関する条約 |ウィキペディア(児童の権利に関する条約)]] | ||
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非戦は、個人的人権の保障の土台です。 | 非戦は、個人的人権の保障の土台です。 | ||
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(2)健康的で文化的な生活のために必要な自然・社会条件が整っている。<br/> | (2)健康的で文化的な生活のために必要な自然・社会条件が整っている。<br/> | ||
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- | $ \quad $このためには、小学校から大学までの授業料無料化が必要である。<br/> | + | $\quad$ このためには、小学校から大学までの授業料無料化が必要である。<br/> |
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(4)疾病、傷害時に、誰でも高水準の医療サービスを受けられる。<br/> | (4)疾病、傷害時に、誰でも高水準の医療サービスを受けられる。<br/> | ||
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(4)個人的努力だけでは克服困難な事態になっても、社会的に支える制度が整っている<br/> | (4)個人的努力だけでは克服困難な事態になっても、社会的に支える制度が整っている<br/> | ||
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その他どんな条件が必要か考えてみましょう。 | その他どんな条件が必要か考えてみましょう。 | ||
2019年6月13日 (木) 09:33時点における版
目次 |
誰でも平和で幸福な人生を送る権利がある
平和とはなに?
以下、平和という言葉は、
単に戦争や内乱のない状態(消極的平和)をいうのでなく、
「積極的平和」=戦争の原因となる構造的暴力もない状態
であることを指します。
幸福な人生とは?
皆さんは、きっと幸福な人生を送りたいと願っていることでしょう。
そんなあなたは、どんな人生を幸福だと考えていますか。
あまり考えたことがないかもしれません。
じつは、どんな人生を幸福と考えるかは人さまざまで、
昔から多くの哲学者がその考えを発表してきました。
平凡社の哲学辞典(1974年)をみると、次のように書かれています。
「幸福
一般に心身の要求がみたされた状態をいうが、要求およびその主体がいかに考えるかによって、色々な相違が生じる。
幸福を個人の感性的要求の満足すなわち快楽と同一視するもの(エピクロス学派,,,)、
消極的に苦痛や不快のない状態、あるいは自足、無欲などの精神的独立の状態を考えるもの(,,,ストア学派)、
自我や人格の全体的、永続的満足とみなすもの(プラトン,,,),
超現世的な宗教的悦楽となすもの(新プラトン派、キリスト教)などである」
(文中の,,,は一部省略を表す)。
もしかすると、上記のいくつかを同時に満たす人生を幸福と考える人もいるでしょう。
あなたも、どんな人生を送りたいか、この学習を機会に考えてみることをお勧めします。
必要ならば、
下記の文献やネット検索で見つけた気に入った記事も参考にしてください。
検索に当たっては、「幸福とはなにか」など、適当と思われるキーワードをいくつか試すとよいです。
誰もが幸福な人生を追求できる社会とは?
自分の夢や幸せな人生をあきらめてしまった人や、初めから、それを持つかとすらできない環境で育った方もいるでしょう。
誰もが自分の夢を持ち、ゆたかな人生を追求できるには、、それにふさわしい社会環境が必要なのです。
それは何でしょうか。
(1)全ての人の人格が認められ、誰でも個人として尊重されること
もし、すべての人々の個人的人権は認めていなかったり、或る理想や価値観を持つ人々を差別や弾圧する社会ならば、
「誰もが自分の夢を自由に持つ」ことはできず、社会に認められる一部の人しか幸福な人生を追求できなくなってしまいます。
ですから、全ての人の人格が認められ、誰でも個人として尊重されることが、根底的な条件となります。
人は誰でも個人として尊重されることを合意している国際社会
数千万人の犠牲者をだした第二次世界大戦の反省から、
1945年10月24日、国際連合(以後、国連という)が、51ヵ国の加盟国で設立された[2]。
同日発効した国連憲章において個人の人権の保障が規定され、
その後世界で、人権保障が発展していった。
1948年12月10日の第3回国連総会で採択された世界人権宣言(Universal Declaration of Human Rights、略称:UDHR)は、
すべての人民とすべての国が達成すべき基本的人権についての宣言である。
国際人権規約 は、世界人権宣言の理念実現のため1966年、国連総会で採択された。
社会権規約(A条約)と自由権規約(B規約)からなる。
日本は1979年に批准した(一部未批准)。
条約と同様の拘束力を持つ。
児童の人権の国際的保障
児童にかんしては、上述した人権保障にくわえて、
親や社会の保護がなければ生存できない児童ならではの権利の保障が必要である。
1959年に子どもの権利を促進する国際文書である「児童の権利に関する宣言」が採択された。
- ウィキペディア(児童の権利に関する宣言)この宣言に続いて、児童の権利に関する条約が1989年に署名され、1990年9月2日に効力が発生(発効)した。
特筆すべきは、この条約で児童は「保護の対象」としてではなく「権利の主体」として扱われていることである。
非戦(戦争放棄)
国が戦争を始めれば、全ての人々の個人的人権が踏みにじられてしまいます。
それどころか、その地に住む多くの人々の命が奪われます。
個人的な夢の実現、幸福追求は、全くできなくなってしまいます。
非戦は、個人的人権の保障の土台です。
社会的基盤
法律のうえでは、、誰でも、どんな夢でも持て、それを追求することが許されても、
生活費すら事欠く(衣食住さえままならない)、その夢を実現するために必要な学習をするお金がない・時間がない、健康を壊してしまった、自然災害にあってしまった
など色々な理由で、夢を追求することができないならば、絵にかいた餅ですね。
そこで、どんな社会的基盤があれば、誰でも幸福追求ができるようになるか、考えてみましょう。
(1)家族との時間や夢実現のための学習時間が取れる適性時間の労働で、
健康で文化的な生活ができる最低限の収入が得られる。
例えば、全国一律の最低賃金が、一日8時間労働でこの額を超えるようになっている社会。
(2)健康的で文化的な生活のために必要な自然・社会条件が整っている。
$\quad$ ・美しい、ゆたかな自然環境
$\quad$ ・電気、通信、水道、ガス、鉄道、公共交通網などの社会的インフラストラクチャーが整っている。
$\quad$ ・健康的な衣食住が入手できる
(3)すべての人が、その能力や資質を伸ばせるように、
$\,\$ 必要時に必要な学習ができる教育環境が整っていること。
$\quad$ このためには、小学校から大学までの授業料無料化が必要である。
$\quad$ また、学校以外の多様な教育機関を社会が持つことも必要であろう。
(4)疾病、傷害時に、誰でも高水準の医療サービスを受けられる。
$\quad$ このために、医療保険制度がある。
(4)個人的努力だけでは克服困難な事態になっても、社会的に支える制度が整っている
$\quad$ 例えば、重病、失業、倒産、自然災害、貧困など個人(家族)の危機時に、
$\quad$ 公的に支える制度が整っていることが必要である。
その他どんな条件が必要か考えてみましょう。
== 各国の憲法は、どこまで個人の人権の保障をしているか ==
=== 日本国憲法 ===
[[wikipedia_ja:太平洋戦争|太平洋戦争]]前・戦中の日本では、
「死は鴻毛より軽し」([[wikipedia_ja:軍人勅諭 |ウィキペディア(軍人勅諭)]])と教育され、国民の生命・人権は羽毛より軽んじられた。
日本国・軍は人命を粗末にし、アジア諸国で2000万人ともいわれる多くの人を殺し、
300万人以上の自国民を殺に追いやった。
悲惨な敗戦(1945年)を喫した当時の日本人の多くは、
2度とこのようなことは繰り返さないことを誓い、「国民主権」、「戦争放棄・個人の人権尊重」を'''日本政府に押し付けた'''(注参照)。
特筆すべきことは憲法前文で、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」 謳っていること。
*[[wikipedia_ja:日本国憲法前文 |ウィキペディア(日本国憲法前文)]]
*[[wikipedia_ja:平和的生存権|ウィキペディア(平和的生存権)]]
この前文を具体化するため「第2章 戦争放棄 第9条」で戦争放棄(軍隊の放棄、交戦権の不所持)を定め、
「第3章 国民の権利及び義務」で「生命、自由及び幸福追求の権利([[wikipedia_ja:日本国憲法第13条|憲法13条]]をはじめ国民の人権について手厚く保障している( [[wikipedia_ja:日本国憲法第14条|14条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第15条|15条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第16条|16条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第17条|17条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第18条|18条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第19条|19条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第20条|20条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第21条|21条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第22条|22条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第23条|23条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第24条|24条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第25条|25条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第26条|26条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第27条|27条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第28条|28条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第29条|29条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第31条|31条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第32条|32条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第33条|33条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第34条|34条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第35条|35条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第36条|36条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第37条|37条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第38条|38条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第39条|39条]], [[wikipedia_ja:日本国憲法第40条|40条]] )。
(注)参考文献
(1)日本国憲法検証 1945-2000 資料と論点 竹前栄治・監修
$ \quad $第一巻 憲法制定史 - 憲法は押し付けられたか 竹前栄治・岡部史信 著(小学館 2000年)
$ \quad $195頁~197頁 「日本政府はどのような理由でGHQ草案の受け入れを決めたか」の201頁
(2)9条を活かす日本 伊藤千尋 著(新日本出版社 2018年)
$ \quad $「第1章 世界に広がる憲法9条ー日本の世界史的任務」の35頁~56頁 「2節 ひからせるのは私たちだ」