物理/物質と原子・分子
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- | == | + | この章では、6章で学んだ、気体の温度や圧力、ボイルシャルルの定理などが、気体分子の運動(熱運動という)で説明出来ることを学び、熱現象の本質は原子や分子の熱運動であることを理解する。さらには物質の性質が原子や分子の構造から決まることを学ぶ。 |
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+ | 気体の温度や圧力は、多数の分子(1cm^3あたり10^19くらい)の熱運動によっておこるのではないか。この仮説に従って、ニュートンの運動法則と[[wikibooks_ja:高等学校数学A 場合の数と確率|確率的扱い]]を利用して、解析をすすめると気体の圧力の正体が分かり、ボイルの法則が得られる。さらに、理想気体の状態方程式と組み合わせて、気体の温度が、熱平衡状態での1分子の運動エネルギーの平均値を用いて表現出来る。 | ||
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+ | 高温の物体の分子は低温の物体の分子より(平均すると)激しく動いている。この両者を(気体の場合は薄い壁を介して)接触させると、この分子同士がぶつかりあい(あるいは壁を介して、力を及ぼしあい)激しく動いている高温物体の多くの分子はエネルギーを失って動きが遅くなり(温度が下がり)、低温物体の分子はエネルギーをもらい動きがはげしくなる(温度が上がる)。すなわち高温物体から低温物体にエネルギーが伝えられる。このエネルギーの流れが熱の本性である。 | ||
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+ | 2つの物体を接触させると、双方の分子はぶつかり合い、互いにエネルギーを与えあうが、これが同じ値になると、熱の移動はなくなり、熱平衡の状態になる。 | ||
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+ | 気体の内部エネルギーとは、考察対象の気体分子全体のエネルギーから、その重心の運動エネルギーと重力によるポテンシャルエネルギーを差し引いたものを言う。言いかえると気体重心からみた各分子の運動エネルギーと各粒子間の分子間力に関するポテンシャルエネルギーの和のことである。 | ||
+ | ===熱力学の第1法則=== | ||
+ | 熱は分子のもつ熱運動エネルギー(の一部)が移動するものであり、熱も含めたエネルギー保存則である熱力学の第一法則は、熱をあたえる系も含めて考えると多数の分子からなる系の力学的エネルギーの保存則と見ることができる。 | ||
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+ | *[[wikipedia_ja:熱力学第2法則 |ウィキペディア(熱力学第2法則)]] 中の「ボルツマン」の項と「3.現代における熱力学第二法則の展開」を参照のこと。 | ||
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+ | 分子は、各物質の化学的性質を備えた最小の単位粒子であり、いくつかの原子がそれらの原子の原子核と電子の電気的引力で引き合い、集まったもの。 | ||
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+ | 物質のさまざまな巨視的性質(物性)はその原子・分子の構造や運動から決まる。 | ||
+ | ===物性 === | ||
+ | 物質の示す物理的性質のこと。機械的性質(力学的性質)、熱的性質、電気的性質、磁気的性質、光学的性質がある。詳しくは | ||
+ | *[[wikipedia_ja:物性|ウィキペディア(物性)]] | ||
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+ | 物質は気体、液体、固体という3つの状態をとる。H2Oの場合、水蒸気、水、氷である。何故、こうしたことが起こるのでしょうか? | ||
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+ | 原子・分子の熱運動が小さい低温の場合には、原子・分子間力が勝って物体は小さく固く結合して固体になり、分子の熱運動が大きい高温では分子間力を完全に打ち破り個々の分子が勝手に熱運動で動き回るため気体になる。この中間では、原子・分子間の距離はあまりひろがらないが、その相対的な位置関係は熱運動で自由に変わるため、液体になる。詳しくは | ||
+ | *[[wikipedia_ja:物質の状態|ウィキペディア(物質の状態)]] | ||
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+ | === 固体 === | ||
+ | 力を加えても変形しにくく、ほぼ一定の形、体積を保つ物質。固体を構成する原子、分子が、規則的にならんでいる物質は結晶とよばれ、そうでない固体は、非晶質とよばれる。結晶中の原子の並びの間隔はおよそ,<tex>10^{-10}</tex>~<tex>10^{-11} m </tex>程度である。 | ||
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+ | *[[wikipedia_ja:固体|ウィキペディア(固体)]] | ||
+ | ==== 電気的性質==== | ||
+ | 固体の電気的性質を原子・分子の構造から理解しよう。他の性質については大学で学ぶ。===== |
2011年4月16日 (土) 02:44 時点における最新版
物理 > 7章 物質と原子・分子
この章では、6章で学んだ、気体の温度や圧力、ボイルシャルルの定理などが、気体分子の運動(熱運動という)で説明出来ることを学び、熱現象の本質は原子や分子の熱運動であることを理解する。さらには物質の性質が原子や分子の構造から決まることを学ぶ。
目次 |
熱力学の分子運動による解明
気体分子の運動と気体の圧力、温度
気体は分子という小さな粒子が膨大な個数集まったものである。気体の圧力、温度という現象をこの分子の運動から考察しよう。
気体分子の運動と気体の圧力、ボイルの法則、温度
気体の温度や圧力は、多数の分子(1cm^3あたり10^19くらい)の熱運動によっておこるのではないか。この仮説に従って、ニュートンの運動法則と確率的扱いを利用して、解析をすすめると気体の圧力の正体が分かり、ボイルの法則が得られる。さらに、理想気体の状態方程式と組み合わせて、気体の温度が、熱平衡状態での1分子の運動エネルギーの平均値を用いて表現出来る。
熱
高温の物体の分子は低温の物体の分子より(平均すると)激しく動いている。この両者を(気体の場合は薄い壁を介して)接触させると、この分子同士がぶつかりあい(あるいは壁を介して、力を及ぼしあい)激しく動いている高温物体の多くの分子はエネルギーを失って動きが遅くなり(温度が下がり)、低温物体の分子はエネルギーをもらい動きがはげしくなる(温度が上がる)。すなわち高温物体から低温物体にエネルギーが伝えられる。このエネルギーの流れが熱の本性である。
熱平衡
2つの物体を接触させると、双方の分子はぶつかり合い、互いにエネルギーを与えあうが、これが同じ値になると、熱の移動はなくなり、熱平衡の状態になる。
気体の内部エネルギーと仕事:熱力学の第1法則
気体の内部エネルギー
気体の内部エネルギーとは、考察対象の気体分子全体のエネルギーから、その重心の運動エネルギーと重力によるポテンシャルエネルギーを差し引いたものを言う。言いかえると気体重心からみた各分子の運動エネルギーと各粒子間の分子間力に関するポテンシャルエネルギーの和のことである。
熱力学の第1法則
熱は分子のもつ熱運動エネルギー(の一部)が移動するものであり、熱も含めたエネルギー保存則である熱力学の第一法則は、熱をあたえる系も含めて考えると多数の分子からなる系の力学的エネルギーの保存則と見ることができる。
熱機関と不可逆性:熱力学の第2法則
熱力学の第2法則を、分子運動から導くことは、まだ完成していません。次の記事を参照のこと。
- ウィキペディア(熱力学第2法則) 中の「ボルツマン」の項と「3.現代における熱力学第二法則の展開」を参照のこと。
物質の構造と性質
この節の各項目の詳細は
を参照のこと。
元素と物質
化学的反応によってそれ以上簡単な成分に分解できない物質、正確には化学元素という。現在118種の元素が見つかっている。物質はいくつかの元素の組合せから出来ている。
原子と原子の構造
原子とは元素の最小単位。元素の違いは、その原子が異なることに起因する。原子は、正の電気をもった原子核と負の電気をもった電子が電気力で引き合い、一つの粒子となったものである。
電子殻と価電子
原子内の電子軌道を回る電子には、化学結合や物性に深く関わるものと、ほとんど関係しないものがある。化学結合や物性に関わる電子は価電子と呼ばれ、通常、原子内の最外殻を回っている。
分子と分子間力
分子は、各物質の化学的性質を備えた最小の単位粒子であり、いくつかの原子がそれらの原子の原子核と電子の電気的引力で引き合い、集まったもの。
分子の間にも、それを構成する原子の原子核と電子のあいだの引力に基因する、引力が働く。
原子・分子の構造と物質の性質
物質のさまざまな巨視的性質(物性)はその原子・分子の構造や運動から決まる。
物性
物質の示す物理的性質のこと。機械的性質(力学的性質)、熱的性質、電気的性質、磁気的性質、光学的性質がある。詳しくは
物質の3態
物質は気体、液体、固体という3つの状態をとる。H2Oの場合、水蒸気、水、氷である。何故、こうしたことが起こるのでしょうか?
原子・分子の熱運動が小さい低温の場合には、原子・分子間力が勝って物体は小さく固く結合して固体になり、分子の熱運動が大きい高温では分子間力を完全に打ち破り個々の分子が勝手に熱運動で動き回るため気体になる。この中間では、原子・分子間の距離はあまりひろがらないが、その相対的な位置関係は熱運動で自由に変わるため、液体になる。詳しくは
固体
力を加えても変形しにくく、ほぼ一定の形、体積を保つ物質。固体を構成する原子、分子が、規則的にならんでいる物質は結晶とよばれ、そうでない固体は、非晶質とよばれる。結晶中の原子の並びの間隔はおよそ,~程度である。
電気的性質
固体の電気的性質を原子・分子の構造から理解しよう。他の性質については大学で学ぶ。=====