拘束のある問題
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- | を定義しておく.この(正錐)< | + | を定義しておく.この(正錐)<math>P</math>を使って,<math>{\bf p},{\bf q} \in R^m</math>の |
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2020年11月25日 (水) 11:27時点における版
等式拘束のある問題
l:(x1,x2,⋯,xn)∈Rn↦∈R
がˉx=(ˉx1,ˉx2,⋯,ˉxn)でm個の制約条件
g1(ˉx1,ˉx2,⋯,ˉxn)=0g2(ˉx1,ˉx2,⋯,ˉxn)=0g3(ˉx1,ˉx2,⋯,ˉxn)=0⋯gm(ˉx1,ˉx2,⋯,ˉxn)=0
のもとでの極少(極大)値をとるものとする.さらにm個のn次元 ベクトル
∂g1∂x(ˉx)T=(∂g1∂x1(ˉx),∂g1∂x2(ˉx)⋯,∂g1∂xn(ˉx))∂g2∂x(ˉx)T=(∂g2∂x1(ˉx),∂g2∂x2(ˉx)⋯,∂g2∂xn(ˉx))∂g3∂x(ˉx)T=(∂g3∂x1(ˉx),∂g3∂x2(ˉx)⋯,∂g3∂xn(ˉx))⋯∂gm∂x(ˉx)T=(∂gm∂x1(ˉx),∂gm∂x2(ˉx)⋯,∂gm∂xn(ˉx))
が一次独立とする.このとき,一変数関数の場合と同様,以下が成立つ.すなわち, m次元のラグランジュ乗数ベクトル
λ=(λ1,λ2,⋯,λm) が存在し,
l(x)+λ1g1(x)+λ2g2(x)+⋯+λmgm(x)
はˉx=(ˉx1,ˉx2,⋯,ˉxn)で停留条件を充す.
すなわち
∂∂x1[l(x)+λ1g1(x)+λ2g2(x)+⋯+λmgm(x)]=0∂∂x2[l(x)+λ1g1(x)+λ2g2(x)+⋯+λmgm(x)]=0⋯∂∂xn[l(x)+λ1g1(x)+λ2g2(x)+⋯+λmgm(x)]=0
が成りたつ.
不等式拘束のある問題
前項では,等式拘束問題を扱った.この項では不等式拘束問題を扱う. 先ず,Rmの部分集合
P={p|p=(p1,p2,⋯,pm)T∈Rm,p1≥0,p2≥0,⋯,pm≥0}
を定義しておく.この(正錐)Pを使って,p,q∈Rmの 順序(大小)を
p≥q⇔p−q∈P で定義する.
Rn<math>から<math>Rmへの微分可能な写像
G:x=(x1,x2,⋯,xn)∈Rn↦G(x)=(g1(x)g2(x)g3(x)⋯gm(x))∈Rm で定義されるものとする.
不等式制約 G(x)=(g1(x)g2(x)g3(x)⋯gm(x))≤0=(000⋮0) について,この項では以下のクーン・タッカーの条件が成立つものとする.
G(x)≤0を充たす任意のx∈RnについてG(x)+dGdxT(x)kとなるk=(k1,k2,⋯,kn)T∈Rnが存在する.
ただし,
dGdxT(x)=(∂g1∂x1(x)∂g1∂x2(x)…∂g1∂xm(x)∂g2∂x1(x)∂g2∂x2(x)…∂g2∂xm(x)⋮⋮⋮⋮∂gm∂x1(x)∂gm∂x2(x)⋯∂gm∂xn(x))
G(x)≤0<math/>は順序(大小関係)を<math>P={p|p=(p1,p2,⋯,pm)T∈Rm,p1≥0,p2≥0,⋯,pm≥0}p≥q⇔p−q∈P 定義する場合,
g1(x)≤0,g2(x)≤0,g3(x)≤0,⋯,gm(x)≤0
と同値になる.
微分可能な写像 l:(x1,x2,⋯,xn)∈Rn↦∈R
が不等式制約G(x)≤0 のもとで
ˉx=(ˉx1,ˉx2,⋯,ˉxn) で極少(極大)値をとるものとすると,m次元のラグランジュ乗数ベクトル
λ=(λ1,λ2,⋯,λm)≥0 が存在し,
l(x)+G(x)λ=l(x)+λ1g1(x)+λ2g2(x)+⋯+λmgm(x)
は,ˉx=(ˉx1,ˉx2,⋯,ˉxn)で停留条件を充たす.
すなわち
dldx(ˉx)+dGdx(ˉx)λ=(∂l∂x1(ˉx)∂l∂x2(ˉx)⋮∂l∂xn(ˉx))+(∂g1∂x1(x)∂g2∂x1(x)…∂gm∂x1(x)∂g1∂x2(x)∂g2∂x2(x)…∂gm∂x2(x)⋮⋮⋮⋮∂g1∂xn(x)∂g2∂xn(x)⋯∂gm∂xn(x))(λ1λ2⋮λm)=(00⋮0)
が成りたつ.
さらにˉx=(ˉx1,ˉx2,⋯,ˉxn)については,
G(ˉx)λ=λ1g1(ˉx)+λ2g2(ˉx)+⋯+λmgm(ˉx)=0
が成立つ.
λ=(λ1,λ2,⋯,λm)≥0
は
λ1≥0,λ2≥0,⋯,λm≥0
と同値になる.