物理/力学(3) 運動の法則

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== 運動の3法則 ==
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ニュートンは次に述べる運動の3法則と万有引力を基本法則として記述し、地上の物体の運動も惑星の運動もすべて導けることを明らかにしました。
===運動の第一法則(慣性法則)===
===運動の第一法則(慣性法則)===
慣性系から観測すると、力を受けていない質点は等速の直線運動をするという経験則(実験や観測で確かめられた事実のこと)であり,慣性系は存在するという主張をしている法則です。
慣性系から観測すると、力を受けていない質点は等速の直線運動をするという経験則(実験や観測で確かめられた事実のこと)であり,慣性系は存在するという主張をしている法則です。
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==万有引力の法則==
==万有引力の法則==
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任意の物体はお互いに相手に引力を及ぼすという経験則です。
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任意の2物体がお互いに相手におよぼす引力の大きさと方向を与える経験則です。
地上の物体は地球からM*g(M:質量、g:重力による加速度。両者を掛けると、運動の第2法則から力になる)の力で地球の重心(もう少し後で学ぶ。当分中心と思ってください)方向に引っ張られます。
地上の物体は地球からM*g(M:質量、g:重力による加速度。両者を掛けると、運動の第2法則から力になる)の力で地球の重心(もう少し後で学ぶ。当分中心と思ってください)方向に引っ張られます。
*[[wikipedia_ja:万有引力|ウィキペディア(万有引力)]]
*[[wikipedia_ja:万有引力|ウィキペディア(万有引力)]]
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===単振動 ===
===単振動 ===
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*[[wikibooks_ja:高等学校理科 物理Ⅱ|ウィキブックス(高等学校理科 物理Ⅱ)]]の1.2.1.2 単振動
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*[[wikipedia_ja:自由振動|ウィキペディア(単振動)]]
===惑星運動===
===惑星運動===
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ケプラーは、膨大で正確な火星の観測データをユークリッド幾何学を巧みに利用して分析し次の惑星運動の3法則を発見しました。
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*[[wikibooks_ja:高等学校理科 物理Ⅱ|ウィキブックス(高等学校理科 物理Ⅱ)]]の1.2.2 万有引力による運動を見てください。
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*[[wikipedia_ja:ケプラーの法則|ウィキペディア(ケプラーの3法則)]]
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この3法則は、運動の第2法則と万有引力の法則から導くことが出来ますが少し難しい数学が必要なので大学で学びます。惑星の軌道を円運動に限定すると、高校の数学の知識で3法則を導けるので、挑戦してください。
===質点系の運動と重心===
===質点系の運動と重心===
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質点系(いくつかの質点の集まりのこと。離れ離れでも良い。任意の2つの質点間には作用・反作用の法則を満たす力が働いていてもよい)の各質点に外力(質点系の他の質点から受ける力以外の力)が加わる時、各質点毎に、運動の第2法則による
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運動方程式を書き、加え合わせると、質点系の重心の運動方程式が得られる。
*[[wikipedia_ja:質点|ウィキペディア(質点系の力学)]]
*[[wikipedia_ja:質点|ウィキペディア(質点系の力学)]]

2011年1月17日 (月) 15:36時点における版

物理4章 力学(3) 運動の法則

質点の運動法則について学ぶ。2章で学んだように質点は大きさをもたない点であり、大きさをもった物体の運動の解析に比べてはるかに容易です。

目次

運動の3法則

ニュートンは次に述べる運動の3法則と万有引力を基本法則として記述し、地上の物体の運動も惑星の運動もすべて導けることを明らかにしました。

運動の第一法則(慣性法則)

慣性系から観測すると、力を受けていない質点は等速の直線運動をするという経験則(実験や観測で確かめられた事実のこと)であり,慣性系は存在するという主張をしている法則です。

運動の第二法則(運動法則)

物体は力を受けた時、運動を変えますが、どのように変えるかを明らかにした経験則です。力の正確な定義式とも見なせます。

この法則の理解には質量という概念が必要です。

運動の第三法則(作用・反作用の法則)

これについてはすでに3章で説明しました。

万有引力の法則

任意の2物体がお互いに相手におよぼす引力の大きさと方向を与える経験則です。 地上の物体は地球からM*g(M:質量、g:重力による加速度。両者を掛けると、運動の第2法則から力になる)の力で地球の重心(もう少し後で学ぶ。当分中心と思ってください)方向に引っ張られます。

ガリレイ変換とガリレイの相対性原理

どのような慣性系で観測しても力学の法則は同じであるという原理です。 一つの慣性系にたいして等速直線運動する観測系を考えると、力の働いてない物体はやはり、等速直線運動するので慣性系であり、運動の第2、第3法則は成立することを主張しています。

運動の3法則と力の法則の応用

運動の3法則と力の法則を用いると、分子から銀河まであらゆる物体の運動を求めることが出来き、またエネルギー保存則や運動量保存則などの保存則を導く事が出来ます。

落体運動

地球上の物体は高いところから落とすと、時間とともに速度を増しながら落下します。この運動の法則は、ガリレオによって発見されましたが、ニュートンの第2法則と万有引力の法則から導けます。

放物運動

これもガリレオによって発見されましたが、ニュートンの第2法則と万有引力の法則から導けます。

単振動

惑星運動

ケプラーは、膨大で正確な火星の観測データをユークリッド幾何学を巧みに利用して分析し次の惑星運動の3法則を発見しました。

この3法則は、運動の第2法則と万有引力の法則から導くことが出来ますが少し難しい数学が必要なので大学で学びます。惑星の軌道を円運動に限定すると、高校の数学の知識で3法則を導けるので、挑戦してください。

質点系の運動と重心

質点系(いくつかの質点の集まりのこと。離れ離れでも良い。任意の2つの質点間には作用・反作用の法則を満たす力が働いていてもよい)の各質点に外力(質点系の他の質点から受ける力以外の力)が加わる時、各質点毎に、運動の第2法則による 運動方程式を書き、加え合わせると、質点系の重心の運動方程式が得られる。


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