市場調査/自社の「顧客価値」を知る

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市場調査と開拓自社の「顧客価値」を知る

目次

「顧客価値」の定義と分析

顧客価値(こきゃくかち)とは、経営されている企業において顧客に対して提供されている、製品やサービスや人材やイメージなどといった価値のことをいう。

図1 顧客価値の確認
出所:ITmedia"http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/1207/26/news013.html"

1つ目は、顧客価値の4段階。顧客が期待する価値には、4つのレベルがあることを伝えている。(ドイツの実業家、カール・アルブレヒトによる。)

2つ目は、純顧客価値の考え方(アメリカの経営学者、フィリップ・コトラー)。 顧客が得る価値は、顧客が得られる価値からその商品、サービスを選択するまでのプロセス、購入後のプロセス、廃棄時のプロセスまでを顧客に掛かる負担=コストととらえ、価値がそれを上回る場合に、本当の意味での顧客にとっての価値が発生するという考え方である。


これらの視点をふまえて、自社の製品やサービスについて、以下の項目について顧客側から客観視してみるとよい。

 ◆製品価値・・・(耐久性、使いやすさ、競合商品にはないプラスアルファの機能など)
 ◆サービス価値・・・(顧客に届けるまでの製造方法や流通の速さ、といったプロセスや、アフターケアなど)
 ◆従業員価値・・・(接客マナーの良さ、従業員自身が自社を愛し、当事者意識をもって働いているか、客に有益な情報を提供してくれるか、など)
 ◆イメージ価値・・・(その製品を所有またはサービスを受けることでのステイタス、ブランド、憧れ、流行、企業イメージ、環境問題への貢献など)


自社の顧客価値を創出する

現在のサービス内容や商品内容の棚卸を行い、「強み」はなんなのかを分析する。 顧客にとっての「価値」は何かを検討する。 強みが「価格」なのか「品質」なのか「立地」なのか「接客マナー」なのか・・・を徹底的に分析することで、ターゲットとなる顧客が絞り込まれてくる。

同業種でも顧客価値の異なるケース

例:ホテル業界

ザ・リッツ・カールトンホテルとスーパーホテル

<リッツカールトンホテルの顧客価値>

・従業員は常にサービスの基本精神が書かれている「クレド(credo)」というカードを携帯。  宿泊客がとにかく快適に過ごせるようサービス精神にあふれたおもてなし。

・従業員自らの判断で1日2,000米ドルまでの決裁権が認められている。  宿泊客が急にヘアカットの出来る美容院を探してくれ、と要求した際、知り合いの美容師を個人的に出張依頼するなど、徹底したサービス精神。

・従業員を採用する際、ザ・リッツ・カールトン独自の人材採用システムを用いる。経歴や経験などを重視せず素質を重視した面接で、社風を理解した人材の確保。

<スーパーホテルの顧客価値>

・快眠へのこだわり  大阪府立大学と共同で「ぐっすり研究所」を設立し、科学的な裏付けとともに快眠へのこだわりを追求し続けている。

・無料朝食  テーブル式の食堂で、ほとんどの店舗でパンとコーヒー、おにぎり、みそ汁やサラダ、おかずを揃えるなど朝食を設定。

・コスト削減  廊下・エレベーター等ではエアコンが稼動していない。

・各種の割り引き料金設定 30日連続使用割引 一週間連続使用割引 学割(1室3名) インターネット割引(その都度) ゴールデン割引(60歳以上/月・金・日・祝日限定)

例:コーヒー店

スターバックスとドトール  <スターバックスの顧客価値>・・・"Third Place"(家庭でもなく職場でもない第3の空間)コンセプトのもと、米国の店舗では長時間の自習やパソコン利用を制限することはなく、WiFi利用も時間制限・接続先制限なしで無料  ・ゆったりしたソファ、落ち着いた照明など長居したくなるようなインテリア  ・通りに面したオープンテラス  ・店内全面禁煙(テラスは喫煙可、但し店舗によっては不可の場合もある)  ・フレンドリーな接客

ドトールコーヒーの顧客価値>・・・キャッチコピーは「がんばる人の、がんばらない時間。」  ・駅前などに多く立地。待ち時間をつぶすためや、客先への訪問前の時間調整やちょっとした資料作成で立ち寄る客などが多い。  ・コンパクトなテーブルやカウンターで、長居をする客は少なく、回転が早い。


同会社でも「立地」で顧客価値の異なるケース

例:スポーツクラブ

郊外店と都心店   同じ看板のスポーツクラブでも、立地によって利用客層も異なり、顧客の求めるものも変わってくる。   <都心店の顧客価値>・・・ジムの内容や機材の充実、スタジオレッスンの予約の取りやすさなどを求める客が多い。   <郊外店の顧客価値>・・・受付の応対マナー、スタッフが声をかけて応援してくれるかなどの精神的なケアを重視する客が多い。

情報化社会到来により顧客価値が異なるケース

例:生命保険業界

「保険のおばちゃん(外交員)」と「保険の窓口」

 <保険外交員の顧客価値>・・・顧客の家族構成や子供の誕生日、進学などのタイミングにあわせ、挨拶や小さなお祝いなどで信頼関係を築き、節目節目で、自社の新規の保険商品や見直しを勧めていく。客自身が保険商品の内容を細かく知らなくとも、信頼する外交員が勧めるのであればと安心して契約をする場合もあり、プッシュ型ともいえる。

 <保険の窓口の顧客価値>・・・客のほうから店舗に出向く。  ・子供の遊び場所があり、飲み物サービスなどもあり、くつろげる雰囲気の中、専門スタッフが客の家族構成や保険に対する考えなどを丁寧に聞き出していく。  ・商品は一社のものではなく、複数の会社の商品から選択可能。  ・即決ではなく、何度も気軽に来店(遊びに来てくださいという雰囲気)を勧め、客が自分で納得して決めたという満足感を持つ。


「顧客価値」とは・・・外部リンク


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