リスク管理/組織の状況確定
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目次 |
概要
リスク管理する上で、自身が置かれている内外の状況を把握し、ステークホルダがどのような価値観を持っているのかを理解しておくことが望まれる。この点を理解していないと、リスク管理の方向性が正しい方向が定まらない。以下にその項目を列挙する。しかし、これがすべてというわけではない。またここに例示したことをすべて自分の組織に取り込まなければならないわけでもない。組織ごとに何が必要かを検討し、取捨選択しなければならない。常に自問自答をくりかえことが望ましい。この考え方は、紀元前に成立したといわれる、孫氏の兵法の「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず。」という文にも表れている。
外部状況の確定
外部状況には以下のようなものが考えられる。これらを明確に意識しておくことが望まれる。
- 社会、文化、政治、法律、金融、技術、自然
- 外部ステークホルダの価値観
内部状況の確定
内部の状況には以下のようなものが考えられる。これらを明確に意識しておくことが望まれる。
- ガバナンス、組織体制、アカウンタビリティ、組織文化
- 組織の目的
- 人、資本、時間、技術
- 内部ステークホルダの価値観
リスク管理プロセスの確定
組織の目的によってプロセスの状況は異なる。
- リスク管理の活動について到達目標と目的を規定する。
- リスク管理プロセスの責任を規定する。
- リスク管理の活動の範囲および除外するものを規定する。
リスク基準の定義
リスクの評価基準の定義をする。これには、組織の価値観、目的及び資源が反映されていることが望ましい。
状況の変化に対する感受性
常に内外の状況の変化に敏感であることが望まれる。その変化によってリスクマネジメントの方策が変わってくることがある。変化に敏感になるためには、各種のコミュニケーションの努力が欠かせない。例えば、例年より寒くなると考えて、暖房器具を沢山製造しようと考えていたときに、今年の冬は暖冬と予報が出た場合に、暖房器具の製造数量を減らさなければならない、というような場合も、内外のコミュニケーションが必要、かつ変化に敏感になっていることが望ましいということが、理解できると思う。
参考文献
- 全社的リスクマネジメント フレームワーク篇、八田進二監訳、東洋経済新報社、2006