論理的思考法/帰納的推論
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簡単な例を考える.
ある,過多な飲酒僻がある人が,友人に自分が泥酔する原因はアルコールにあるのではないと主張し,自身の体を使って以下の実験を行った.
- 日曜 ウイスキーの水割りを多量に飲用した
- 月曜 ウォッカのオンザロックを多量に飲用した
- 火曜 ブランデーと炭酸水を多量に飲用した
- 水曜 ワインとミネラルウォーターを多量に飲用した
- 木曜 ジントニックと炭酸水を多量に飲用した
- 金曜 テキーラとミネラルウォーターを多量に飲用した
- 土曜 リキュールとミネラルウォーターを多量に飲用した
当然ながら,この人物は1週間毎日泥酔した.そして,日曜日に自分が飲用したものには全て水が共通している. よって自分が泥酔する原因は水であると主張した.
この人物の主張の正当性は別にして,推論法には演繹推論によらない帰納法がある.
既知の事実を確認するのではなく,未知の現象を解析するには,有効な手段である.実際,科学の発見の大多数は,既知の事実から演繹推論によって
導き出した結論ではなく,実験を繰り返したり,何回も経験した事実の観察を通して得られたものである.
このため,帰納法を推論手段として,適切に用いることは,重要である.