物理/電磁誘導と電磁波・交流回路
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物理 11章 電気と磁気(3) 電磁誘導と電磁波および交流回路
目次 |
電磁誘導
電流が磁界を作ることを前章で学んだ。逆に磁界は電流を作れるのではないか。ファラデーは、こう考えて実験に取り組み、遂に、重要な法則を発見した。
ファラデーの実験と発見
電磁誘導の法則
電磁誘導法則の応用
発電機
変圧器
磁気について
磁気の根源
電気の根源は、原子の核や電子という電荷であった。
それでは磁気の根源の磁荷は存在するのだろうか。
現在にいたるも磁荷は発見されず、多分存在しないだろうと見られている。
それでは磁石などの磁力はどうして発生するのだろうか。それは電流の磁気作用から類推できる。
原子は、12章で学ぶように、(ニュートン力学的モデルでは)原子核の周りを負の電荷をもった電子が回転と自転(スピン)をしていると考えられる。原子核の周りの電子の運動は小さな円電流なので電流の磁気作用によって磁界が生じる。また自転も電荷の運動であり磁気が生じる。すなわち、原子は小さな磁石と考えられる。
磁性体
通常の物質は磁気をもたない。各原子磁石の方向がばらばらで磁力が打ち消し合っているからである。
磁界Hの中に物質をおいたらどうなるであろうか?
全ての物質は磁界内では磁化する。
ある物質では、磁界によって、多くの原子磁石の向きがある程度揃い、磁界の上流側にはS極(-)が現れ下流側にはそれと同量のN極(+)が現れる。この磁極の出現で、物質内には、外部の磁界Hと逆方向の磁界H'が発生してHを打ち消し、物質内の磁界は小さくなる。これを常磁性という。
もっと原子磁石の方向が揃う物質では、物質内に強いS極、N 極が現れH'が大きくなり、物質内ではHと逆方向の磁界となる。強磁性という。強磁性の物質を強い磁界に置き磁化させ、外部の磁界をとりさると、原子磁石の向きがある程度揃ったままに留まり、磁石ができる。
大部分の物質では、磁界Hをかけても、原子磁石の向きが殆ど変わらず、電子の円電流を貫く磁束が変わるため、電磁誘導により磁束の変化を妨げる起電力が生じ、磁界H の上流側に弱いN極、下流側に同量のS極が現れる。