物理/物理数学(2) 多変数の解析学と常微分方程式
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9章 物理数学(2)多変数の解析学と常微分方程式
この章では、多変数関数を対象にした解析学と常微分方程式について紹介する。
多変数の実数値関数の微分
Rn={(x1,x2,,,xn)∣xi∈R,i=1,2,⋯n} の開区間
In=∏ni=1(ai,bi)上で定義された実関数y=f(x1,x2,,,xn)を考える。
一変数関数の議論から類推するために
以後、x:=(x1,x2,,,xn)とおき、y=f(x)と書くこともある。
この上で定義された実数値関数y=f(x)=f(x1,x2,,,xn)の微分について説明する。
一変数の微分から類推すると
微小なベクトル h=(h1,h2,,,hn) を考え、極限
limh→0,h≠0f(s+h)−f(s)h
が存在するとき、関数fは微分可能と定義することが考えられる。
しかし残念ながら、
hはn次元ベクトルなので、割り算は不可能でありこの定義は無効である。
偏微分
そこで、f の変数 x の第i成分 xi だけを変数とし、
他の変数は固定 (xj=xj,0(j≠i)) して得られる一変数関数
ϕi(xi)
:=f(x), (ここでxj=xj,0(j≠i))
を考える。
この関数は、一変数なので、その微分
dϕi(xi)dxi:=limh→0,h≠0ϕi(xi+h)−ϕi(xi)h
を考えることができる。
定義(偏微分)
変数 x の第i成分以外は、xj=xj,0(j≠i) に固定する。
もし、ϕi(xi)=f(x) が xi=xi,0 で微分可能ならば、
関数fは、x=(x1,0,x2,0,,,xn,0) において、xi に関して偏微分可能のであると言い,
∂f∂xi:=dϕi(xi)dxi
を、f(x) の x=(x1,0,x2,0,,,xn,0 における、xi に関する偏微分係数という。
定義(偏導関数)
Rn のある集合 G の内部の全ての点xで
f(x) が xi に関して偏微分可能であるならば、
G の内部の全ての点xに、そこでの xi に関する偏微分係数を対応させると、新しい関数が得られる。
これを、f(x) の xi に関する偏導関数といい、記号
fx[i](x),Dxif(x),∂f∂xi(x),∂f/∂xi
などで表示する。
定理(合成関数の微分)
R2 から R への関数f(x,y) と
R から R への関数g(x,y) の合成関数
h(x,y)=g(f(x,y)
を考える。
もし、f(x,y) が (x0,y0) で、xに関して偏微分可能で,
g(x,y) が、z0=f(x0,y0) において微分可能ならば、
h(x,y)=g(f(x,y) は (x0,y0) で、xに関して偏微分可能であり,
方向微分
微分(全微分)
定義1;微分可能(全微分可能ともいう)、導値(微分係数)、導関数
定理1;
微分可能ならば、偏微分可能
定理2
C1級の関数は微分可能
ベクトル解析
常微分方程式
=
多変数の実数値関数の微分
Rn={(x1,x2,,,xn)∣xi∈R,i=1,2,⋯n} の開区間
In=∏ni=1(ai,bi)上で定義された実関数y=f(x1,x2,,,xn)を考える。
一変数関数の議論から類推するために
以後、x:=(x1,x2,,,xn)とおき、y=f(x)と書くこともある。
この上で定義された実数値関数y=f(x)=f(x1,x2,,,xn)の微分について説明する。
一変数の微分から類推すると
微小なベクトル h=(h1,h2,,,hn) を考え、極限
limh→0,h≠0f(s+h)−f(s)h
が存在するとき、関数fは微分可能と定義することが考えられる。
しかし残念ながら、
hはn次元ベクトルなので、割り算は不可能でありこの定義は無効である。
偏微分
そこで、f の変数 x の第i成分 xi だけを変数とし、
他の変数は固定 (xj=xj,0(j≠i)) して得られる一変数関数
ϕi(xi)
:=f(x), (ここでxj=xj,0(j≠i))
を考える。
この関数は、一変数なので、その微分
dϕi(xi)dxi:=limh→0,h≠0ϕi(xi+h)−ϕi(xi)h
を考えることができる。
定義(偏微分)
変数 x の第i成分以外は、xj=xj,0(j≠i) に固定する。
もし、ϕi(xi)=f(x) が xi=xi,0 で微分可能ならば、
関数fは、x=(x1,0,x2,0,,,xn,0) において、xi に関して偏微分可能のであると言い,
∂f∂xi:=dϕi(xi)dxi
を、f(x) の x=(x1,0,x2,0,,,xn,0 における、xi に関する偏微分係数という。
定義(偏導関数)
Rn のある集合 G の内部の全ての点xで
f(x) が xi に関して偏微分可能であるならば、
G の内部の全ての点xに、そこでの xi に関する偏微分係数を対応させると、新しい関数が得られる。
これを、f(x) の xi に関する偏導関数といい、記号
fx[i](x),Dxif(x),∂f∂xi(x),∂f/∂xi
などで表示する。
定理(合成関数の微分)
R2 から R への関数f(x,y) と
R から R への関数g(x,y) の合成関数
h(x,y)=g(f(x,y)
を考える。
もし、f(x,y) が (x0,y0) で、xに関して偏微分可能で,
g(x,y) が、z0=f(x0,y0) において微分可能ならば、
h(x,y)=g(f(x,y) は (x0,y0) で、xに関して偏微分可能であり,
方向微分
微分(全微分)
定義1;微分可能(全微分可能ともいう)、導値(微分係数)、導関数
定理1;
微分可能ならば、偏微分可能
定理2
C1級の関数は微分可能