物理/分子の構造と物質の性質

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目次

 「6.3 分子の構造と物質の性質」

原子をつくる力 

正の電荷をもつ原子核と負の電荷をもつ電子の間に働く電気力(クーロン力)と、
陽子や中性子の間に働く核力
の二つが原子を作る。

 核力

分子とそれをつくる力 

殆どの原子は単独ではなく、分子を作って存在する。
殆どの場合、2つの原子が同じ電子を共有することで結合し分子をつくる。 共有結合という。 詳しくは

 分子が化学結合して物質を作る

分子間には、各分子中の正電荷(陽子)と負電荷(電子)に起因する分子間力(引力)が働く。、

物質の3態

物質は気体、液体、固体という3つの状態をとる。
$H_{2}O$ の場合、水蒸気、水、氷である。
何故、こうしたことが起こるのだろうか?
分子の熱運動が小さい低温の場合には、
分子間力が勝って分子同士が固く結合して固体になる。
高温では分子の熱運動が大きため、分子間力による拘束を完全に打ち破り
個々の分子が勝手に熱運動で動き回るため気体になる。
この中間では、両者が釣り合い、分子間の距離はあまりひろがらないが、
その相対的な位置関係は熱運動で自由に変わるため液体になる。

 物性

物性とは、物質の示す物理的性質のこと。
機械的性質(力学的性質)、熱的性質、電気的性質、磁気的性質、光学的性質がある。
詳しくは

物質の物性はその原子・分子の構造や運動から決まる。
正確には原子などのミクロな物質の運動の法則を探求する 量子論が必要になる。(注を参照のこと)
しかし、量子論の知識を背景にして古典物理学による近似的な説明ができることもある。
また、化学では、巨視的な観測、実験による、物性の研究が進んでいた。
そこで量子論を扱わない高校や大学の教養課程では 化学を教科書で勉強するとよい。

(注)原子の構造や運動、
原子がなぜ結合して分子になるのか、
分子が結合して物質を形成する力はなぜ生じるか、
化学反応はなぜ生じるのか。
物質の物性は、どうして決まるのか
古典物理学では理解できないことが多い。
何故ならば、これ等に関与する原子や電子などの極小の物質の振る舞い(運動)の知識が必要になるが、
こうした微小粒子の振る舞いは 前節6.2で述べたように 古典(近代)力学や古典電磁気学から結論される結果と大きく異なることが多いからである。
20世紀になって、こうした微粒子の運動が研究され、量子力学が生まれ発展した。
正確に化学反応を知ろうと思えば、量子力学が不可欠である。
この理論は大学の専門課程で学ぶ。


 固体の電気的性質 

固体の電気的性質を原子・分子の構造から理解しよう。他の性質については物性論という大学の専門課程の科目であつかう。本テキストでは触れない。

 固体と結晶 

個体とは、力を加えても変形しにくく、ほぼ一定の形、体積を保つ物質。
固体を構成する原子、分子が、規則的にならんでいる物質は結晶とよばれ、
そうでない固体は、非晶質とよばれる。
結晶中の原子の並びの間隔はおよそ,$10^{-10}$~$10^{-11} m $程度である。

 導体、半導体、不導体(絶縁体) 

固体は電気を良く通す導体と、殆ど流さない不導体、その中間の半導体に分類される。

 金属

金属は電気を良く通す。金属結合という結合にその原因がある。

 半導体の電気的性質とバンド構造 

RT

高等学校物理/物理II/バンドギャップ(ウィキブックス)

半導体とその応用 

「高等学校物理/物理II/電気と磁気中」の「半導体」(ウィキブックス)

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