物理/解析入門(2)リーマン積分

提供: Internet Web School

UNIQ4311e20b38f9e0a5-MathJax-2-QINU2 による版
(差分) ←前の版 | 最新版 (差分) | 次の版→ (差分)

目次

「7.4 解析入門 (2)リーマン積分」

リーマン積分

この節は、区間上で定義された関数のリーマン積分の初歩を述べる。
具体的には、リーマン積分の定義とリーマン積分が存在する(可積分)条件
について、数学的厳密性を保つように記述する。
参考記事

区間上の関数のリーマン和

区間UNIQe224c87233884b-MathJax-284-QINUで定義され、実数に値をとる関数UNIQe224c87233884b-MathJax-285-QINUを考える。
この区間の分割
UNIQe224c87233884b-MathJax-286-QINU
と、その代表点UNIQe224c87233884b-MathJax-287-QINUに関する、UNIQe224c87233884b-MathJax-288-QINUのリーマン和とは、
UNIQe224c87233884b-MathJax-289-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-290-QINU
で定義する。

リーマン和の意味 

リーマン和は、
UNIQe224c87233884b-MathJax-291-QINUのグラフを、棒グラフで近似したときの
棒グラフの作る面積(各角柱の面積和)であることが分かる。図参照。
UNIQe224c87233884b-MathJax-292-QINUのグラフとx軸、および2直線UNIQe224c87233884b-MathJax-293-QINU、UNIQe224c87233884b-MathJax-294-QINUで囲まれる部分の面積を近似している。

リーマン可積分とリーマン積分の定義

分割を細かくしていくとき、
分割の仕方や代表点の選び方に関係なく
リーマン和がある一定値に収束するとする。
すると、この値は
UNIQe224c87233884b-MathJax-295-QINUのグラフとx軸、および2直線UNIQe224c87233884b-MathJax-296-QINU、UNIQe224c87233884b-MathJax-297-QINUで囲まれる部分の面積
と考えられる。
定義;
UNIQe224c87233884b-MathJax-298-QINUの大きさUNIQe224c87233884b-MathJax-299-QINUとは、
この分割で得られた小区間の長さの、最大値で定義する。
記号で書くと
UNIQe224c87233884b-MathJax-300-QINU
定義;リーマン可積分
UNIQe224c87233884b-MathJax-301-QINUを、有界閉区間UNIQe224c87233884b-MathJax-302-QINU上で定義され、実数の値をとる関数とする。
もし、ある実数UNIQe224c87233884b-MathJax-303-QINUが存在して、
どんな分割UNIQe224c87233884b-MathJax-304-QINUと
代表点UNIQe224c87233884b-MathJax-305-QINUであっても、
UNIQe224c87233884b-MathJax-306-QINU
が成り立つ時、
UNIQe224c87233884b-MathJax-307-QINUはUNIQe224c87233884b-MathJax-308-QINU上で(リーマン)可積分であるという。
このとき、UNIQe224c87233884b-MathJax-309-QINU をUNIQe224c87233884b-MathJax-310-QINUのUNIQe224c87233884b-MathJax-311-QINU上でのリーマン積分といい、
UNIQe224c87233884b-MathJax-312-QINU
などと書く。

 リーマン積分の命題

命題1 線形性
命題2 積分の単調性
命題3 平均値定理
命題4 三角不等式
命題5 積分区間に関する加法性

可積分条件(RT;短縮化)

どのような関数は、積分できるだろうか。
積分出来ない関数はあるのか。
これらについて考察しよう。

不足リーマン和と過剰リーマン和によるリーマン和の評価

リーマン和を、代表点の選び方を変えて求めるとその値は変化する。
そこで、その最小値と最大値を求め、差を計算する。
もしこの差が分割を細かくしていくと零に収束するならば、可積分となろう。
以下、この方針で議論を進める。
UNIQe224c87233884b-MathJax-313-QINUを分割して得られた小区間UNIQe224c87233884b-MathJax-314-QINUを考える。
関数UNIQe224c87233884b-MathJax-315-QINUをこの小区間上に限定した時、
関数は、この区間上の点で最大値と最小値をとると仮定する(注参照)。
関数の最大値UNIQe224c87233884b-MathJax-316-QINUと最小値UNIQe224c87233884b-MathJax-317-QINUを、
それぞれ、UNIQe224c87233884b-MathJax-318-QINUと書く。
(注) 区間上で最大値、最小値を取らない関数では、
有界な関数でありさえすれば、最大値、最小値と殆ど同じ性質をもつ
上限、下限に置き換えれば以後の、議論は成り立つ。

すると、UNIQe224c87233884b-MathJax-319-QINUの任意の点UNIQe224c87233884b-MathJax-320-QINU に対して、
UNIQe224c87233884b-MathJax-321-QINU  
故に、
補題1
ⅰ)どのような代表点UNIQe224c87233884b-MathJax-322-QINUに対しても
UNIQe224c87233884b-MathJax-323-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-324-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-325-QINU
そこで、UNIQe224c87233884b-MathJax-326-QINUをUNIQe224c87233884b-MathJax-327-QINUに関するUNIQe224c87233884b-MathJax-328-QINUの不足リーマン和、UNIQe224c87233884b-MathJax-329-QINUを過剰リーマン和と呼ぶ。
ⅱ)UNIQe224c87233884b-MathJax-330-QINU 
UNIQe224c87233884b-MathJax-331-QINU 
証明は明らかなので省略。

 分割の細分とリーマン和の評価式

定義;分割の細分
UNIQe224c87233884b-MathJax-332-QINUの分割UNIQe224c87233884b-MathJax-333-QINUが分割UNIQe224c87233884b-MathJax-334-QINUの細分というのは、
UNIQe224c87233884b-MathJax-335-QINUの分点の集合UNIQe224c87233884b-MathJax-336-QINUが、
UNIQe224c87233884b-MathJax-337-QINUの分点の集合UNIQe224c87233884b-MathJax-338-QINUに真に含まれることと定義する。
記号でかけば、UNIQe224c87233884b-MathJax-339-QINU。
記号では、UNIQe224c87233884b-MathJax-340-QINUと記す。


補題2
UNIQe224c87233884b-MathJax-341-QINUという分割に対し、
UNIQe224c87233884b-MathJax-342-QINU
が成り立つ。
(証明)
UNIQe224c87233884b-MathJax-343-QINUの小区間UNIQe224c87233884b-MathJax-344-QINUが分割UNIQe224c87233884b-MathJax-345-QINUでは、
UNIQe224c87233884b-MathJax-346-QINUの2つに分割されたとする。

すると、区間上の関数の最大値と最小値の定義から、
UNIQe224c87233884b-MathJax-347-QINU UNIQe224c87233884b-MathJax-348-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-349-QINU UNIQe224c87233884b-MathJax-350-QINU
これらから、命題は成立することが分かる。

 不足リーマン和の上限と過剰リーマン和の下限

補題2から、分割の細分を繰り返していくと、その分割に対応する、
不足リーマン和は、広義増加(増加するか、同じ値にとどまる)し、
過剰リーマン和は、広義減少する。
分割を細かくしていったとき、これらの極限が一致すれば、補題1から、
リーマン和の極限値は、代表点に無関係に、定まることになる。

そこで色々な分割に対応する不足リーマン和のなかの最大値と
過剰リーマン和の最小値を求めることが、重要になる。
しかし一般にはこれらは存在しないことが示せる。
そこで最大値に近い命題を持つ上限と最小値に近い下限という概念を利用する。

2つの分割の共通の細分

分割UNIQe224c87233884b-MathJax-351-QINUの分点の集合UNIQe224c87233884b-MathJax-352-QINUと、
分割UNIQe224c87233884b-MathJax-353-QINU の分点の集合UNIQe224c87233884b-MathJax-354-QINUの
和集合UNIQe224c87233884b-MathJax-355-QINUを分点とする分割をUNIQe224c87233884b-MathJax-356-QINUと書く。
すると新しい分割は
UNIQe224c87233884b-MathJax-357-QINU と UNIQe224c87233884b-MathJax-358-QINU
を満たす。
これを用いると、
不足リーマン和の上限UNIQe224c87233884b-MathJax-359-QINUと
過剰リーマン和の下限UNIQe224c87233884b-MathJax-360-QINUが存在することが証明できる。

補題5
UNIQe224c87233884b-MathJax-361-QINUを区間UNIQe224c87233884b-MathJax-362-QINUで定義され実数値をとる有界関数
すなわち、UNIQe224c87233884b-MathJax-363-QINUがUNIQe224c87233884b-MathJax-364-QINUの有界部分集合となる関数とする。
UNIQe224c87233884b-MathJax-365-QINUの分割を全て集めて作った集合をUNIQe224c87233884b-MathJax-366-QINUと書く。
すると、
ⅰ)任意のUNIQe224c87233884b-MathJax-367-QINUに対して、
UNIQe224c87233884b-MathJax-368-QINU
ⅱ)集合UNIQe224c87233884b-MathJax-369-QINUは上に有界、
集合UNIQe224c87233884b-MathJax-370-QINUは下に有界
ⅲ)UNIQe224c87233884b-MathJax-371-QINUと
UNIQe224c87233884b-MathJax-372-QINUは存在し、
UNIQe224c87233884b-MathJax-373-QINU 
証明;
ⅰ)UNIQe224c87233884b-MathJax-374-QINU なので、補題2から、
UNIQe224c87233884b-MathJax-375-QINU
ⅱ)1)で証明した不等式で、分割UNIQe224c87233884b-MathJax-376-QINU は固定する。
すると全ての分割 UNIQe224c87233884b-MathJax-377-QINUに対して、UNIQe224c87233884b-MathJax-378-QINUなので
集合UNIQe224c87233884b-MathJax-379-QINUは、上界UNIQe224c87233884b-MathJax-380-QINUを持ち、上に有界である。
後者も同様にして下に有界であることが示せる。
ⅲ)従って、実数の連続性の公理から、
集合UNIQe224c87233884b-MathJax-381-QINUは上限UNIQe224c87233884b-MathJax-382-QINUをもち、
集合UNIQe224c87233884b-MathJax-383-QINUは下限UNIQe224c87233884b-MathJax-384-QINUをもつ。
上限は、上界の中の最小値なので、
UNIQe224c87233884b-MathJax-385-QINU
この式は任意のUNIQe224c87233884b-MathJax-386-QINUについて成立するので、
UNIQe224c87233884b-MathJax-387-QINUは、集合UNIQe224c87233884b-MathJax-388-QINUの下界である。
下限UNIQe224c87233884b-MathJax-389-QINUは、下界のなかの最大値なのでUNIQe224c87233884b-MathJax-390-QINUを得る。

 分割を細かくしていくときの不足リーマン和と、過剰リーマン和の極限

定理(ダルブー;Darboux)
UNIQe224c87233884b-MathJax-391-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-392-QINUを、UNIQe224c87233884b-MathJax-393-QINUで定義され、実数に値を取る有界関数とする。
このとき、
ⅰ)UNIQe224c87233884b-MathJax-394-QINU
ⅱ)UNIQe224c87233884b-MathJax-395-QINU
証明;
ⅰ)を示す。( ⅱ)は同じようにして証明できるので略す)
これを示すには、
どんなに小さい正の実数UNIQe224c87233884b-MathJax-396-QINUに対しても、それに応じた小さい正の実数UNIQe224c87233884b-MathJax-397-QINUを適切に選べば、
分割の大きさがUNIQe224c87233884b-MathJax-398-QINUより小さい、どんな分割UNIQe224c87233884b-MathJax-399-QINUも、
UNIQe224c87233884b-MathJax-400-QINU
であることを示せばよい。
以下に、数段階に分けて、これを証明する。

UNIQe224c87233884b-MathJax-401-QINU上限の命題(補題3)から、
ある分割
UNIQe224c87233884b-MathJax-402-QINU
が存在して、
UNIQe224c87233884b-MathJax-403-QINU
今後このUNIQe224c87233884b-MathJax-404-QINUを使って、証明を進める。

UNIQe224c87233884b-MathJax-405-QINU
分割UNIQe224c87233884b-MathJax-406-QINUの小区間UNIQe224c87233884b-MathJax-407-QINUの長さUNIQe224c87233884b-MathJax-408-QINUの 最小値をUNIQe224c87233884b-MathJax-409-QINUとおくと
UNIQe224c87233884b-MathJax-410-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-411-QINUに比べて非常に小さい大きさを持つ分割、
UNIQe224c87233884b-MathJax-412-QINU、
UNIQe224c87233884b-MathJax-413-QINU

を考える。
もし、UNIQe224c87233884b-MathJax-414-QINUならば補題2より、
UNIQe224c87233884b-MathJax-415-QINU、
するとUNIQe224c87233884b-MathJax-416-QINU 
通常、分割UNIQe224c87233884b-MathJax-417-QINUは、UNIQe224c87233884b-MathJax-418-QINUの細分になっていない。
この場合は、高々(n-1)個のUNIQe224c87233884b-MathJax-419-QINUの小区間が、UNIQe224c87233884b-MathJax-420-QINUの小区間には含まれず、
UNIQe224c87233884b-MathJax-421-QINUの分点UNIQe224c87233884b-MathJax-422-QINUをまたぐことになる。図参照のこと。
議論を簡単にするため、
UNIQe224c87233884b-MathJax-423-QINUの分点UNIQe224c87233884b-MathJax-424-QINUが全て、UNIQe224c87233884b-MathJax-425-QINUの小区間によって跨がれている
と仮定し、議論を進める。
他のケースでも、証明はおなじようにできるので、
このように仮定しても何の問題も起こらない。
UNIQe224c87233884b-MathJax-426-QINUの分点UNIQe224c87233884b-MathJax-427-QINUを跨ぐUNIQe224c87233884b-MathJax-428-QINUの小区間をUNIQe224c87233884b-MathJax-429-QINUとする(i=1,2,,,n-1)。
UNIQe224c87233884b-MathJax-430-QINU
2つの分割UNIQe224c87233884b-MathJax-431-QINUからUNIQe224c87233884b-MathJax-432-QINUを作る。
すると
UNIQe224c87233884b-MathJax-433-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-434-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-435-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-436-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-437-QINU

UNIQe224c87233884b-MathJax-438-QINU

UNIQe224c87233884b-MathJax-439-QINU
と書ける。

UNIQe224c87233884b-MathJax-440-QINUで、 UNIQe224c87233884b-MathJax-441-QINU なので、
UNIQe224c87233884b-MathJax-442-QINU, UNIQe224c87233884b-MathJax-443-QINU
後者の式から、
UNIQe224c87233884b-MathJax-444-QINU
この式と(1)式から、
UNIQe224c87233884b-MathJax-445-QINU
そこで、
「UNIQe224c87233884b-MathJax-446-QINUならば、UNIQe224c87233884b-MathJax-447-QINU
が示せれば、
UNIQe224c87233884b-MathJax-448-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-449-QINU
が示され、証明が終わる。
UNIQe224c87233884b-MathJax-450-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-451-QINU であり、
(2)式から、
UNIQe224c87233884b-MathJax-452-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-453-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-454-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-455-QINU
なので、
UNIQe224c87233884b-MathJax-456-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-457-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-458-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-459-QINU
関数はUNIQe224c87233884b-MathJax-460-QINU上で有界なので、適切に正の実数UNIQe224c87233884b-MathJax-461-QINUを選ぶと、UNIQe224c87233884b-MathJax-462-QINUがUNIQe224c87233884b-MathJax-463-QINUの要素ならば
UNIQe224c87233884b-MathJax-464-QINUが成立する。
するとUNIQe224c87233884b-MathJax-465-QINU
が成り立つ。また
UNIQe224c87233884b-MathJax-466-QINUで、
UNIQe224c87233884b-MathJax-467-QINU
なので
UNIQe224c87233884b-MathJax-468-QINU
そこで、
UNIQe224c87233884b-MathJax-469-QINU と選べば、
UNIQe224c87233884b-MathJax-470-QINUをみたすどのような分割UNIQe224c87233884b-MathJax-471-QINUも、
UNIQe224c87233884b-MathJax-472-QINU
を満たすことが証明できた。証明終わり。

 可積分条件

定理;可積分条件 
UNIQe224c87233884b-MathJax-473-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-474-QINUを、UNIQe224c87233884b-MathJax-475-QINUで定義され、実数に値を取る有界関数とする。
次の条件のうち1つが成立すれば、残り2つは成立する(互いに同値という)。
ⅰ)UNIQe224c87233884b-MathJax-476-QINUはUNIQe224c87233884b-MathJax-477-QINU上で(リーマン)可積分
ⅱ)UNIQe224c87233884b-MathJax-478-QINU
ⅲ)UNIQe224c87233884b-MathJax-479-QINU

証明
ⅰ)を仮定する。ⅱ)が成立することを示そう。
UNIQe224c87233884b-MathJax-480-QINUの積分値をUNIQe224c87233884b-MathJax-481-QINUとおくと、可積分の定義から、
任意のUNIQe224c87233884b-MathJax-482-QINUに対して、UNIQe224c87233884b-MathJax-483-QINUが存在して、
UNIQe224c87233884b-MathJax-484-QINUである任意の分割と、その分割の任意の代表点UNIQe224c87233884b-MathJax-485-QINUに対し,
UNIQe224c87233884b-MathJax-486-QINU
が成立する。
変形すると
UNIQe224c87233884b-MathJax-487-QINU
ここで、補題1のⅱ)から、
UNIQe224c87233884b-MathJax-488-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-489-QINU
なので、
(1)式から、
UNIQe224c87233884b-MathJax-490-QINU
これより、任意のUNIQe224c87233884b-MathJax-491-QINUに対して、UNIQe224c87233884b-MathJax-492-QINUが存在して、
UNIQe224c87233884b-MathJax-493-QINU
ⅱ)が示せた。
ⅱ)を仮定する。 ⅲ)が成り立つことを示す。

UNIQe224c87233884b-MathJax-494-QINU
なので、
UNIQe224c87233884b-MathJax-495-QINU
故に、分割を細かくしていき、極限をとると、
UNIQe224c87233884b-MathJax-496-QINU
ⅱ)が成立するので、
UNIQe224c87233884b-MathJax-497-QINU
ⅲ)が示せた。
ⅲ)を仮定する。 UNIQe224c87233884b-MathJax-498-QINUとおく。
ⅰ)が成り立つことを示そう。
補題1のⅰ)から、どのような分割UNIQe224c87233884b-MathJax-499-QINUと、その代表点UNIQe224c87233884b-MathJax-500-QINUに対しても
UNIQe224c87233884b-MathJax-501-QINU
ここで、ダルブーの定理から、
UNIQe224c87233884b-MathJax-502-QINU,
UNIQe224c87233884b-MathJax-503-QINU
が成り立つので、
UNIQe224c87233884b-MathJax-504-QINU 
が成り立つ。
ⅰ)が示せた。

 関数の連続性と一様連続性 

色々な関数のグラフを書くとつながっているところを、跳んでいるところが出来る。
UNIQe224c87233884b-MathJax-505-QINUのグラフはずっとつながっている。
関数UNIQe224c87233884b-MathJax-506-QINUを、
UNIQe224c87233884b-MathJax-507-QINUのとき UNIQe224c87233884b-MathJax-508-QINU, UNIQe224c87233884b-MathJax-509-QINUのとき UNIQe224c87233884b-MathJax-510-QINU
で定義すると、
UNIQe224c87233884b-MathJax-511-QINUのところでそのグラフは跳んでいる。
連続性や不連続性は関数の加積分性を調べるときにも大変有効である。
定義(連続性と一様連続性)
有界閉区間上UNIQe224c87233884b-MathJax-512-QINUで定義され、実数に値を取る関数UNIQe224c87233884b-MathJax-513-QINUを考えよう。
1)関数UNIQe224c87233884b-MathJax-514-QINUが、点UNIQe224c87233884b-MathJax-515-QINU で連続とは、
任意の正数UNIQe224c87233884b-MathJax-516-QINUに対して、UNIQe224c87233884b-MathJax-517-QINUとUNIQe224c87233884b-MathJax-518-QINUに依存して決まる正数UNIQe224c87233884b-MathJax-519-QINUが存在して、
UNIQe224c87233884b-MathJax-520-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-521-QINUとおくと
UNIQe224c87233884b-MathJax-522-QINU
2)関数UNIQe224c87233884b-MathJax-523-QINUがUNIQe224c87233884b-MathJax-524-QINU上で連続とは、V の任意の点UNIQe224c87233884b-MathJax-525-QINU で連続であること。
3)関数UNIQe224c87233884b-MathJax-526-QINUがUNIQe224c87233884b-MathJax-527-QINU上で一様連続とは
任意の正数UNIQe224c87233884b-MathJax-528-QINUに対して,UNIQe224c87233884b-MathJax-529-QINUに依存して決まる正数UNIQe224c87233884b-MathJax-530-QINUが存在して、
V の任意の点UNIQe224c87233884b-MathJax-531-QINUに対して UNIQe224c87233884b-MathJax-532-QINU

定理
有界閉区間UNIQe224c87233884b-MathJax-533-QINUで定義され、実数に値を取る連続関数は、一様連続である。
RT

 区分的に連続(有限個の点を除いて連続)な閉区間上の関数は積分可能

定理 
有界閉区間上UNIQe224c87233884b-MathJax-534-QINUで定義され、実数に値を取る連続関数UNIQe224c87233884b-MathJax-535-QINUは、V上で可積分である。
略証;
有界閉区間上の連続関数は一様連続なので、
任意のUNIQe224c87233884b-MathJax-536-QINUに対して、UNIQe224c87233884b-MathJax-537-QINUが存在して、
UNIQe224c87233884b-MathJax-538-QINUを満たすUNIQe224c87233884b-MathJax-539-QINUの任意の2点に対して、
UNIQe224c87233884b-MathJax-540-QINU
が成立する。
UNIQe224c87233884b-MathJax-541-QINUの分割UNIQe224c87233884b-MathJax-542-QINUを細かくして、
UNIQe224c87233884b-MathJax-543-QINU
を満たすようにする。
すると、その分割によって得られた小区間UNIQe224c87233884b-MathJax-544-QINUの長さは、
全てUNIQe224c87233884b-MathJax-545-QINUより小さくなるので、
UNIQe224c87233884b-MathJax-546-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-547-QINUの定義から
UNIQe224c87233884b-MathJax-548-QINU これを用いると、
UNIQe224c87233884b-MathJax-549-QINU
UNIQe224c87233884b-MathJax-550-QINU
故に、
任意のUNIQe224c87233884b-MathJax-551-QINUに対して、UNIQe224c87233884b-MathJax-552-QINUが存在して、
UNIQe224c87233884b-MathJax-553-QINUを満たす任意の分割UNIQe224c87233884b-MathJax-554-QINUにたいして、
UNIQe224c87233884b-MathJax-555-QINUが示せた。
UNIQe224c87233884b-MathJax-556-QINU
なので
UNIQe224c87233884b-MathJax-557-QINU
が任意のUNIQe224c87233884b-MathJax-558-QINUにたいして成立する。故に
UNIQe224c87233884b-MathJax-559-QINU
可積分条件のⅲ)が示せた。証明終わり。

定理の系;有界閉区間上で定義され、区分的に連続な(有限個の不連続点をもつ)実数値関数UNIQe224c87233884b-MathJax-560-QINUは積分可能である。
証明は容易なので略す。

 ベクトル値関数の場合

ベクトル値関数UNIQe224c87233884b-MathJax-561-QINUの場合も、リーマン和とリーマン可積分の定義は実数値関数の場合と変わらない。
可積分条件については、
座標系をいれ、関数の各座標成分UNIQe224c87233884b-MathJax-562-QINUを考える。ここで、UNIQe224c87233884b-MathJax-563-QINUである。他も同様。
すると区分的連続なベクトル値関数の各成分は区分的連続なので積分可能となり、
UNIQe224c87233884b-MathJax-564-QINUの積分可能性が示せる。

 リーマン積分の性質

命題1 線形性
命題2 積分の単調性
命題3 平均値定理
命題4 三角不等式
命題5 積分区間に関する加法性

 リーマン積分の計算法

 原始関数を用いるリーマン積分の計算

 一変数関数の変数変換

 積分計算を便利にする記号法

 部分積分法

未完

 不定積分の計算法

未完 

個人用ツール