機器設計・開発/機器システム設計

提供: Internet Web School

機器設計・開発 > 機器システム設計

近年, IoT(Internet of Things) 化が盛んになり, 様々な機器がインターネットに繋がるようになりました. これにより, 機器の状態を瞬時に確認したり, 遠隔からの操作ができるようになりました. 今後も, インターネットに接続できる機器が増え, インターネットにより操作ができる物が増えていくと思われます.

ここでは, 情報を取得したり, ものを操作するための電子機器を作成するために必要となる機器について説明します.

目次

マイコンボード

マイコンボードと呼ばれる CPU を持つボードを使うと, 電子機器を作ることができます. 特にワンボードマイコンやシングルボードコンピュータは CPU といくつかの入出力装置を持ち, センサから画像や音などのデータを入力できます. そのため, 外部の情報を処理したり, 別の機器を制御するようなものを作ることができます. このことから, IoT機器の作成にも適しています.

代表的なマイコンボードには Arudino や Raspberry Pi などがあります. これらは, 安価で, 従来のマイコンボードよりもプログラミングが簡単なシステムです. また, センサなどからの入力を処理したり, 外部の機器への信号を制御することが単体でもでき, 汎用性も大きくなっています.

Arduino

Arduino は "Arduino ボード"(ハードウェア)に, "Arduino IDE" と呼ばれるソフトウェアを作成するツールで作ったプログラムを書き込んで動かします. 詳細については Arduino - Home を確認してください.

Arduino の生みの親の一人である Massimo Banzi は TED Talks で Arduino の可能性について講演しています.

Massimo Banzi: How Arduino is open-sourcing imagination

Arduino を使った作品には次のようなものがあります.

Raspberry Pi

Raspberry Pi は OS を持つマイコンボードです. そのため, 一般的な PC と同様に利用できます. 詳細については Raspberry Pi — Teach, Learn, and Make with Raspberry Pi を確認してください.

Paspberry Pi の利用例には次のようなものがあります.


Arduino と Raspberry Pi の比較

Arduino と Raspberry Pi の大きな違いは OS の有無です. OS は, ハードウェアを制御するためのソフトウェアに汎用性を持たせることができます. Raspberry Pi では Linux という OS が使われているため, Linux 上で動くものは Raspberry Pi でも動作させることができます. このことは, 既に存在する多くのプログラムを利用できることになります. また, Linux は一般の PC でも利用できる OS です. そのため, PC でできることのほとんどができます.

一方, Arduino には OS がありません. そのため, Arduino は基本的に Arduino 用のプログラムしか実行できません. しかし, 一般的な機能を実現するための Arduino 用ライブラリは揃っています. また, OS が行っているソフトウェアとハードウェアの制御がないので, よりリアルタイムに近い処理ができます. そのため, Arduino はセンサなどの機器を接続して, データ収集や制御を行うのに適しています.

このことから, Arduino は比較的単純な処理に絞った機器を安定して動かす場合に向いています. また, Raspberry Pi は PC のような複雑な処理や, 複数の処理を同時に動かす場合に向いています. 従って, 作成する機器に必要な機能に応じて使い分けたり, 組み合わせて利用することが必要になります.

参考文献

関連項目

演習課題

個人用ツール