物理/エネルギーと保存則(その1)

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物理力学エネルギーと保存則(その1)

目次

「2.4 エネルギーと保存則(その1)」

 概要 

質点や質点の集まりの運動を調べるときに有用な
各種の保存法則が、運動の法則から導かれる。
導出の仕方が理解できると、力学への理解が深まる。
この節では、いろいろなエネルギーについて説明後、仕事・エネルギー定理、保存力と力学的エネルギー保存則などを述べる。
次節の「エネルギーと保存則(その2)」では運動量に関する保存則を述べる。


エネルギー

物質の持っている仕事をする能力をエネルギーという。
この規定は抽象的で具体例を知らないと、良く分からないだろう。
その方たち向けに簡単に説明する。
人間が地表の石(質量m)を、非常にゆっくりと高さhまで持ち上げたとする。
この時、人間が石に行った仕事は、上向きの力(㎎+無限に小さい正の力)でhだけ動かしたのでmghとなる。
何故なら、上に移動させるため加えた小さい正の力は無限に小さく出来るので無視出来るから。
上に持ち上げられた物体は、支えをなくせば、引力㎎に引かれて落下運動する。
これを利用して、直接この石に仕事をさせることができる。
例えば、石に紐をつけ、延ばした紐の他端に動かしたい物体をつけて、石を自由にすれば、
石は物体を力㎎で引っ張りながら、地表まで落ちる。
この時物体はhだけ移動するので、石が物体に行う仕事はmghとなる。
このようにhの高さに持ち上げられた石は、仕事をする能力を持つ。
その量はmghで、最初人間が石に対して行った仕事に等しい。
位置に依存して有する能力なので、石は、位置エネルギーを持つという。
仕事量も表したい時には、「石の位置エネルギーはmgh」と表現する。

また、地表からhの高さに持ち上げられた石は、
支えをなくして自由にすると落下運動を行う。
運動物体は仕事をする能力を持つ。
何故なら、運動している物体は他の物体に接触すると力を与えて動かし、
仕事をするからである。
速度が速いほど、この能力は増す。
この場合の「仕事する能力」は、運動に基因するので、運動エネルギーという。
従って、位置エネルギーは直接に仕事をする能力だけでなく、
運動エネルギーという形態に変化する能力ももつ。
石は落下するに従って位置エネルギーをへらし、運動エネルギーは増していく(速度が速くなるため)。
こうして人間の行った仕事は、
石の位置エネルギーになり、
それは仕事をしたり、
運動エネルギーなど他のエネルギーに変換され、
その後仕事にも変換できる。
これ等の過程でエネルギーは保存されるのか、
工夫したら、最初に人間の行った仕事より多くの仕事が得られのではないか。
この節では、このようなエネルギーの問題を調べる。

運動エネルギー(kinetic energy)

運動している粒子は、それを止めようとする物体に力を与え、動かすことが出来る。
運動している粒子は,運動に起因する何らかのエネルギーを持っていると考えられる。
止まった段階ではこのエネルギーは零になるので、
運動している粒子の持つエネルギーの量は、止まるまでに使った仕事で計れる。

質量$m$の粒子が速度$\vec v$で運動しているとき、
止まるまでになす仕事を求めてみる。
速度方向をx軸とする座標$O-x$をとる。
力が作用しなければ、粒子はx軸の上をx正方向にむかって、速さ$v:=\|\vec v\|$で等速直線運動を続ける。
この粒子が原点を通過する瞬間(t=0)から、x軸方向の力$ F=-f、f>0$(負の向き)を、止まるまで与え続ける。この間、粒子は、作用反作用の法則により、$ F=f、f>0$の力で、止めようとする物体を押し返しながら、止まるまで仕事をし続ける。
止まるまでの距離を求めるため、運動法則を用いる。
この粒子の運動方程式は
$m\frac{d^2}{dt^2}x(t)=-f \qquad (1) $,
ここで、$x(0)=0,v(0)=v$(初期条件)$\qquad (2)$
(1)式の両辺を$m$で割り、$v(t):=\frac{d}{dt}x(t)$を代入すると、
$\frac{d}{dt}v(t)=-\frac{f}{m}$
この方程式を満たし、初期条件(2)を満たす関数$v$は、
$v(t)=-\frac{f}{m}t+v \qquad \qquad (3)$
この式から、粒子が停止する時刻は
$t_1=\frac{mv}{f}$
このときの粒子の位置は、
$\frac{d}{dt}x(t)=-\frac{f}{m}t+v \qquad (4) $
を解いて、停止時刻でのxを求めればよい。
初期条件式(2)を満たす(4)式の解は
$x(t)=-\frac{f}{2m}t^2+vt \qquad (4) $
故に、止まる位置は
$x(t_1)=-\frac{f}{2m}{t_1}^2+vt_1=\frac{mv^2}{2f}$
粒子が止まるまで,なした仕事は、
$W=f \frac{mv^2}{2f}= \frac{mv^2}{2}$
以上の考察より、粒子の運動エネルギーを次のように決める。
定義;
質量$m$、速度$\vec v$の質点の運動エネルギーを、
$\frac{mv^2}{2}$  
で定める。

仕事エネルギー定理(Work-energy theorem)

質点に力を与えて運動させたとき、力のなした仕事は質点の運動エネルギーの増加に等しいことが証明できる。
外力のなした仕事(エネルギー)が、質点のエネルギーに転嫁するのである。
これは、仕事エネルギー定理と呼ばれる重要な定理である。
以下にその証明をしよう。

質量$m$の質点が力 $\vec F(t)$を受けて運動している(注参照のこと)。
力は時間に関して連続であるか、区分的に連続(不連続点が有限個しかない)と仮定する。
空間には適当に原点Oを定め、適切な直交座標$O-x_{1}x_{2}x_{3}$をいれる。
時刻$t$ の質点の位置 $P(t)$ を位置ベクトルを$\vec{x}(t):=\vec{OP(t)}$で表わすと、その速度は $\vec{v}(t)=\frac{d\vec{x}}{dt}(t)$

注)
万有引力や電磁気力は、場所によって変化するので、
位置ベクトル$\vec x$にいる質点の受ける力は$\vec{G}(\vec x)$である。
すると、時刻$t$に質点の受ける力は時間の関数$\vec{F}(t):=\vec{G}(\vec{x}(t))$となる。
また人為的に時間により力を変えて物体の運動を制御することもある。
この定理は、この場合にも適用できるような記述にした。

定理の証明に利用する命題を用意する。
補題
時刻$t^{1}$から $t^{2}$までに力の行う仕事Wは
$W=\int_{t^{1}}^{t^{2}}(\vec{F}\cdot \vec{v})(t)dt (=\int_{t^{1}}^{t^{2}}\vec{F}(t)\cdot \frac{d\vec{x}(t)}{dt}dt) $
である。
ここで$(\vec{F}\cdot \vec{v})(t):=\vec{F}(t)\cdot \vec{v}(t)$
力が一定のときは、
$W=\int_{t^{1}}^{t^{2}}\vec F \cdot \frac{d\vec{x}(t)}{dt}dt =\vec F \cdot \int_{t^{1}}^{t^{2}}\frac{d\vec{x}(t)}{dt}dt=\vec F \cdot (\vec{x}(t^{2})-\vec{x}(t^{1}))$
となり、力のなす仕事の定義と一致する。
証明;
前節の「連続な力の場のなす仕事」の命題の証明で、
パラメータpとして、時間tをとり、
力$\vec{F}(\vec{x}(t))$を,改めて$\vec{F}(t)$とおけば、
全く同じように証明できる。
しかし、その証明はやや難しかいので、別の証明を与える。
時刻 $t^1$ から $t\in [t^{1},t^{2}]$ までに力のなす仕事を $W(t)$ とかくと、
時刻$t\in (t^{1},t^{2})$ から微小時間 $\delta t(\neq 0)$ ($(t+\delta t)\in (t^{1},t~{2})$)の間に力のなす仕事を $\delta W(t)$ とかけば $\delta W(t)=W(t+\delta t)-W(t)$ が成り立つ。
力が(区分的)連続なので、それを2回積分した軌道は(区分的に)滑らかな連続曲線になるので、
この短い時間の間は、
力は時刻 $t$ での値 $\vec{F}(t)$ に等しく、
質点の軌道は、有向線分 $\overrightarrow{P(t),P(t+\delta t)}=\vec{x}(t+\delta t)-\vec{x}(t)$ に等しい
とみなしてよい。
すると力のなす仕事の定義から、
$\delta W(t)=W(t+\delta t)-W(t)=\vec{F}(t) \cdot (\vec{x}(t+\delta t)-\vec{x}(t))$ 
が得られる。
両辺を $\delta t$ で割ると、
$\frac{W(t+\delta t)-W(t)}{\delta t}=\vec{F}(t) \cdot \frac{\vec{x}(t+\delta t)-\vec{x}(t)}{\delta t}$ 
が得られる。
ベクトル値関数$\vec{x}(t)$は、有限個の点を除いて微分可能で、その導関数は連続なので、
右辺は$\delta t$を零に近づけるとき、極限をもつ。
したがって、最悪でも、有限個のtを除いて $W(t)$ は微分可能で、
$\frac{dW}{dt}(t)=\lim_{\delta t \to 0}\frac{W(t+\delta t)-W(t)}{\delta t} =\lim_{\delta t \to 0}\vec{F}(t) \cdot \frac{\vec{x}(t+\delta t)-\vec{x}(t)}{\delta t}=\vec{F}(t) \cdot \frac{d\vec{x}}{dt}(t)$
故に、W(t) は $\vec{F}(t) \cdot \frac{d\vec{x}}{dt}(t)$ の不定積分
$\int \vec{F}(t) \cdot \frac{d\vec{x}}{dt}(t)dt$
で表される。
よく知られた定積分と不定積分の関係から
$W(t^2)-W(t^1)=\int_{t^1}^{t_2}\vec{F}(t) \cdot \frac{d\vec{x}}{dt}(t)dt$
$W=W(t^2)-W(t^1)$ なので所望の結果が得られた。          証明終わり。



仕事エネルギー定理
$W=\frac{1}{2}m\|v(t^{2})\|^2 - \frac{1}{2}m\|v(t^{1})\|^2 $
すなわち力がなした仕事は、運動エネルギーの変化量に等しい。
証明
運動の第2法則から、$\vec{F}(t)=m\frac{d\vec v(t)}{dt}$なので、
$W=\int_{[t^{1},t^{2}]}(\vec{F}\cdot \vec{v})(t)dt =\int_{[t^{1},t^{2}]}(m\frac{d\vec v}{dt} \cdot \vec{v})(t)dt=m\int_{[t^{1},t^{2}]}(\frac{d\vec v}{dt} \cdot \vec{v})(t)dt$
ここで、
$\frac{d(\vec{v} \cdot \vec{v})}{dt}(t)=2(\frac{d\vec v}{dt} \cdot \vec{v})(t)$(「8章の8.3 積分」のベクトル値関数の微分参照のこと)なので
$=\frac{m}{2}\int_{[t^{1},t^{2}]}\frac{d(\vec{v} \cdot \vec{v})}{dt}(t)dt$
ここで、被積分関数$\frac{d(\vec{v} \cdot \vec{v})}{dt}(t)$の
原始関数は$\vec{v} \cdot \vec{v}$なので、
$=\frac{m}{2}[(\vec{v} \cdot \vec{v})(t)]_{t^{1}}^{t^{2}}$
$=\frac{m}{2}\|\vec{v}(t^{2})\|^2-\frac{m}{2}\|\vec{v}(t^{1})\|^2$
証明終わり。

力 $\vec F(t)$ が重力とそれ以外の外力$\vec f(t)$ の和のばあいの仕事エネルギー定理を考えよう。
鉛直上方を$x_3$(z)軸とする3次元直交座標系 $O-x_1x_2x_3$をとり、
重力加速度の大きさを $g$ とかくと 、重力加速度は$\vec g=(0,0,-g)$ なので、
$\vec F(t)=m\vec g +\vec f(t)$
これを仕事エネルギー定理
$\int_{t^{1}}^{t^{2}}(\vec{F}\cdot \vec{v})(t)dt=\frac{m}{2}\|\vec{v}(t^{2})\|^2-\frac{m}{2}\|\vec{v}(t^{1})\|^2$
に代入して、式の整理をすると
$\int_{t^{1}}^{t^{2}}(\vec{f}\cdot \vec{v})(t)dt =\left(\frac{m}{2}\|\vec{v}(t^{2})\|^2+mgx_3(t^{2}) \right) -\left(\frac{m}{2}\|\vec{v}(t^{1})\|^2+mgx_3(t^{1}) \right)$
これで次の重要な系が得られた。
系;外力が重力とそれ以外の力$\vec f(t)$のとき、
$\vec f(t)$が、時刻 $t^{1}$ から $t^{2}$ の間になす仕事$W_f=\int_{t^{1}}^{t^{2}}(\vec{f}\cdot \vec{v})(t)dt$ は
$W_f=\left(\frac{m}{2}\|\vec{v}(t^{2})\|^2+mgx_3(t^{2}) \right) -\left(\frac{m}{2}\|\vec{v}(t^{1})\|^2+mgx_3(t^{1}) \right)$

保存力と位置エネルギー

力の場

質点がどこにあろうが、その位置$\vec x$に応じて力$\vec{F}(\vec x)$が作用するとする(注1)。
このような空間を力の場という。
力が位置の連続関数のとき、連続な力の場という。

保存力と保存力場

連続な力の場$\vec{F}(\vec x)$(注参照)において、 質点が任意の点$P$から任意の点$Q$ まで動くとき、
この場の力の行う仕事が移動経路に関係なく2点$P$、$Q$だけで決まるならば、
この力の場を保存力場という。
保存力場の力を保存力(conservative force ) という。

移動経路としては、区分的に滑らかな曲線(注2参照)に限定する。
(注1)例えば、地球からの万有引力が作用する空間など。
(注2)曲線$\vec{C}$を、
$[0,1]$で定義された連続で、しかも
有限個の点を除いて微分可能で導関数が連続な
ベクトル値関数の軌跡で表すことが出来ることをいう。

位置エネルギー 

保存力は次のように言いかえることができる。
物体にかかる場の力 $ \vec{F}(\vec x) $ に逆らって、
力 $-\vec{F}(\vec x)+\delta(\vec x)$($\delta(\vec x)$は無限小)を加えて、
物体を、任意の経路に沿ってQ点からP点に非常にゆっくり動かす時、
この力$-\vec{F}(\vec x)+\delta(\vec x) $の行う仕事が
移動経路に関係なく2点の位置だけで決まる時、
力 $ \vec{F} $を保存力という。
ここで力 $ -\vec{F} $は、物体に作用する力 $ \vec{F} $とつり合いをとるための力である。
力 $ \delta$は、力がつりあっている物体を、
移動経路に沿って、Q点からP点まで
無限にゆっくりと動かすのに必要な、無限に小さい力であり、 $\delta$ のなす仕事は零とみなせる(注参照)。
そのため、保存力の条件は
「空間の任意の2点P、Qに対して、 質点をQからPまで移動させるとき、 力$-\vec{F}(\vec x)$の行う仕事が
移動経路に関係なく2点P,Qだけで決まる
と言い換えることができる。
(注)経路がごく短い腺分 $\overrightarrow{QP}$の時は
$\delta$ はこの上では一定値とみなせるので、
この力のなす仕事は $\delta\cdot \overrightarrow{QP}$ である。
この絶対値は、内積の性質から、
$|\delta\cdot \overrightarrow{PQ}|\leq \|\delta\|QP $
任意の経路にそった移動で力$\delta$のなす仕事は、
この経路を微小な腺分をつなぎ合わせた折れ線 $P_0P_1,P_1P_2,\cdots,P_{N-1}P_N,\quad (P_0=Q,P_N=P)$ で近似し、
各腺分上でなす仕事の和を求め、これを評価すればよい。
実際、$W=\sum_{i=1}^{N}\delta(P_{i-1})\cdot \overrightarrow{P_{i-1}P_i}$
$\quad$ 絶対値の性質から
$|W|=|\sum_{i=1}^{N}\delta(P_{i-1})\cdot \overrightarrow{P_{i-1}P_i}|$
$\leq \sum_{i=1}^{N}|\delta(P_{i-1})\cdot \overrightarrow{P_{i-1}P_i}|$
$\quad$ 内積の絶対値の性質から
$\leq \sum_{i=1}^{N}\|\delta(P_{i-1})\|P_{i-1}P_i$
$\quad$ $\|\delta(\vec x)\|$の最大値(あるいは上限)を$\epsilon$ とおくと、
$\leq \epsilon \sum_{i=1}^{N}P_{i-1}P_i$
$\leq \epsilon$×(経路QPの長さl)
$\epsilon$ はいくらでも小さく取れるので、
仕事Wはいくらでも小さくできる。(注の終り)。

以上の保存力の定義はやや面倒である。
仕事エネルギー定理を用いると、ずっと簡単で見通しの良い定義ができる。
命題
力の場を考える。
この場が、保存力場である必要十分条件は、
場の任意の2点P,Qに対して
点Qに静止している質点を、
外力を加えて、この場の力に抗して移動させP点に静止させるときの、
外力のなす仕事が、移動経路によらないこと。
この時、外力のなす仕事は、
質点をPからQに移動させるとき、場の力がなす仕事に等しい。
証明
位置ベクトル$\vec x$ にいる質点の受ける
場からの力を$\vec{F}(\vec x)$
外力を$\vec{G}(\vec x)$ と書く。
Q点に静止している質点はこの合力をうけて、
ニュートンの運動式に従って与えられた経路上を運動し
P点で静止するとする。
すると、この時、合力のなした仕事$W_{\vec F+\vec G}$は、
仕事エネルギー定理から、零であることが分かる。
式で書くと$W_{\vec F+\vec G}=0 \qquad \qquad (1)$
ところが、この仕事はこの間
$\quad$保存力がなした仕事$W_{\vec F}$ と 
$\quad$外力のなした仕事$W_{\vec G}$ の和である。
故に、式(1)から
$W_{\vec G}=-W_{\vec F}=W_{-\vec F} \qquad \qquad (2)$
外力のなす仕事が経路によらないことと、
場の力のなす仕事が経路によらないことは、
同値であることが証明できた。
後段は、明らか。

この時、力 $ -\vec{F} $がなす仕事を、
Q 点を基準とした P 点でのこの物体の
ポテンシャルエネルギー(potential energy)(あるいは位置エネルギー)と言う。
記号では、基準点も分かるように$U_{Q}(P)$などと書く。
これは、質点が、P点からQ点まで動く時、
場の力の行う仕事と等しい。
$U_{Q}(P)$は、力の場の定義されている領域中の任意の2点Q、Pにたいして決まるので
$U$は、この領域上の2変数関数である。保存力場$ \vec{F} $からきまるポテンシャル関数と呼ぼう。

を参照のこと。

命題;ポテンシャル関数の性質
保存力場の異なる任意の3点$P,Q,R$を考える。
各点からみた他の点のポテンシャルエネルギーには次の関係が常に成り立つ。
ⅰ)$U_{P}(Q)+U_{Q}(R)=U_{P}(R)$
ⅱ)$U_{P}(Q)=-U_{Q}(P)$
証明は、図のような経路にそって力の行う仕事の
間の関係を考えれば、簡単に出来る。

力の場が保存的である必要十分条件

命題
一点$O$を原点にした、直交座標系$O-x_{1}x_{2}x_{3}$を決める。
次の2条件は同値である。
(1)$\Omega$の連続な力の場
$\vec{F}(\vec x),(\vec x\in \Omega)$が
保存力場である。
(2)$\Omega$上で定義され実数に値を取る$C^1$級関数$U(\vec x)$が存在して
$\vec{F}_i=-\frac{\partial U}{\partial x_i} ,(i=1,2,3)  \qquad \qquad (1)$
が$\Omega$上で成り立つ。
記述を簡略化するため、Uの勾配(gradient)
$\mathrm{grad}U(\vec x):=(\frac{\partial U}{\partial x_1}(\vec x), \frac{\partial U}{\partial x_2}(\vec x),\frac{\partial U}{\partial x_3}(\vec x))$
を導入すると、
$\vec{F}=-\mathrm{grad}U$が$\Omega$上で成り立つ。

ここで$\frac{\partial U}{\partial x_1}(\vec x)$は、
$U(\vec x)$を、独立変数の第1成分 $x_1:=(\vec x)_1$の関数とみるため
他の変数は固定して、$V_1(x_1):=U(x_1,x_2,x_3)$という実変数で実数値の関数を考え、
$x_1$で微分したものを表す。記号で表示すると、
$\frac{\partial U}{\partial x_1}(\vec x):=\frac{dV_1}{dx_1}(x_1)$
関数Uの$\vec x$ における第1座標$x_1$に関する偏微分係数という。
他の座標に関する偏微分係数も同様に定義する。
関数$\frac{\partial U}{\partial x_i}$は
変数$\vec x$に、その点の$x_i$についての偏微分係数$\frac{\partial U}{\partial x_i}(\vec x)$を対応させるもので、
$x_i$についての偏導関数と呼ばれる。
$U(\vec x)$が$C^1$級とは、
全ての偏導関数$\frac{\partial U}{\partial x_i}、(i=1,2,3)$が存在し、
しかも連続関数となることをいう。
多変数関数の連続性や微分については、
「第8章 物理数学」の「極限と微分」で要点を説明してある。
定理の系; 定理中の $U(\vec x)$は、保存力 $\vec{F}$ の位置エネルギーである。 

証明;
(1)ならば(2)を示す。
この領域の任意の点$P(x_1,x_2,x_3)$(x_iはPの座標)の、原点からみた、ポテンシャルエネルギー
$U(P)=\int_{C(O \to P)}-\vec{F}(\vec y)\cdot \vec{dy}$
を定める。この値は経路$C(O\to P)$に関係なくきまる。
1)$\frac{\partial U}{\partial x_1}(\vec x)=-{\vec F}_{1}(\vec x)$を示す。
$\vec{e_1}:=(1,0,0)$とおき、Uの偏微分を定義に従って計算する。
$\frac{\partial U}{\partial x_1}(\vec x) =\lim_{\delta \to 0,\delta\neq 0}\frac{U(x_1+\delta,x_2,x_3)-U(x_1,x_2,x_3)}{\delta}$
ここで、
$U(x_1+\delta,x_2,x_3)-U(x_1,x_2,x_3)$
は、その経路に無関係にさだまるので、
質点を力$-\vec F$で第一座標に平行に$\delta$動かすときの仕事に等しい。 この向き付き経路を、ベクトル値関数で表示すると$\{{\vec x}(t)=\vec x+t\vec{e_1}\mid 0\leq t\leq \delta\}$である。
すると、力の場の命題で述べたように、この仕事は
$-\int_{0}^{\delta}{\vec F}(\vec{x}(t))\cdot \frac{d\vec{x}(t)}{dt}dt$
に等しい。
$\frac{d\vec{x}(t)}{dt}=\vec{e_1}$であり、
${\vec F}(\vec{x}(t))\cdot \frac{d\vec{x}(t)}{dt}={\vec F}_1(\vec{x}(t))$となるので
$=-\int_{0}^{\delta}{\vec F}_1(\vec{x}(t))dt$
故に、$U(x_1+\delta,x_2,x_3)-U(x_1,x_2,x_3) =-\int_{0}^{\delta}{\vec F}_1(\vec{x}(t))dt$

$\lim_{\delta \to 0,\delta\neq 0}\frac{U(x_1+\delta,x_2,x_3)-U(x_1,x_2,x_3)}{\delta}=-\frac{1}{\delta}\int_{0}^{\delta}{\vec F}_1(\vec{x}(t))dt $
ここで、${\vec F}_1(\vec x+t\vec{e_1})$はtの連続関数なので、
$|t|$が十分小さければ、${\vec F}_1(\vec x)$にいくらでも近くなる。
そこで、区間$[0,\delta]$での平均値
$\frac{1}{\delta}\int_{0}^{\delta}{\vec F}_1(\vec{x}(t))dt$は、
$\delta$が零に収束するとき、${\vec F}_1(\vec x)$に収束する。
これで(2)が証明できた。
(2)を仮定して(1)を示す。
任意の2点$P,Q\in \Omega$に対し、それを結ぶPからQへの区分的に滑らかな曲線
${\vec C}:=\{{\vec x}(t)\mid 0\leq t\leq 1\},{\vec x}(0)=P,{\vec x}(1)=Q$
を選んだとき、これに沿って力の成す仕事
$W_{\vec C}=\int_{\vec C}{\vec F}(\vec x) \cdot \vec{dx} =-\int_{\vec C}\mathrm{grad}U(\vec x)\cdot \vec{dx} \qquad \qquad (2)$
が、曲線に依存しないことを示せば良い。
${\vec C}:=\{{\vec x}(t)\mid 0\leq t\leq 1\}$ なので 式(2)$=-\int_{0}^{1}\mathrm{grad}U(\vec x(t))\cdot \frac{d\vec{x}(t)}{dt}dt$
補題;
$\frac{dU(\vec x(t))}{dt}=\mathrm{grad}U(\vec x(t))\cdot \frac{d\vec{x}(t)}{dt}$
これは、多変数の場合の合成関数の微分公式である。本テキストの「8章 物理数学」 で説明してある。
これを用いると、 式(2)$=-\int_{0}^{1}\frac{dU(\vec x(t))}{dt}dt$
$\frac{dU(\vec x(t))}{dt}$の原始関数は$U(\vec x(t))$なので、
この定積分は
$=-[U(\vec x(t))]_{0}^{1}=-U(\vec x(1))+U(\vec x(0))=-U(Q)+U(P)$
この値は経路に依存しないので、保存力であることが示された。
証明終わり。

☆☆保存力の必要十分条件RT==

ベクトル解析で使う回転(rotation)を用いると、次の命題が成り立つ。
命題; 次の2条件は同値である。
(1)$\Omega$の$C~1$級の力の場
$\vec{F}(\vec x),(\vec x\in \Omega)$が
保存力場である。
(2)$ rot \vec{F}=0$

保存力の十分条件

万有引力で作られる力の場などは、保存力場である。
これを示すため、もう少し一般の力の場が、保存力場であることを示す命題を述べる。

命題;
領域$\Omega$を3次元空間から原点を取り除いた領域とする。
この領域で定義された力の場
${\vec F}(\vec x)=h(\|\vec x\|)\frac{\vec x}{\|\vec x\|}$
は保存力場である。但し、関数$h$は、実変数の実数値連続関数とする。
証明;
hは連続関数なので、
任意の正数xに対して、定積分$\int_{0}^{x}h(x)dx$が存在する。
そこで関数$H(x):=\int_{0}^{x}h(x)dx$を導入する。
この関数Hを微分すると関数hが得られる。
$U(\vec x):=-H(\|x\|)$という多変数関数を定義すると,
合成関数の微分公式より、
$\frac{\partial U}{\partial x_i}$ $=-\frac{dH}{dy}(\|\vec{x} \|)\frac{\partial \|\vec{x}\|}{\partial x_i}$
$=-h(\|\vec x\|)\frac{x_i}{\|\vec x\|}=-{\vec F}_i(\vec x)$
すでに証明した「力の場が保存的である必要十分条件」中の命題により、
保存力場であることが証明された。

☆☆万有引力の場

質点の作る万有引力の場

球体の作る万有引力の場

力学的エネルギーと力学的エネルギー保存則

力学的エネルギーは、運動エネルギーと位置エネルギー(ポテンシャル・エネルギー)の総称である。

定理;力学的エネルギー保存則(kinetic energy and conservation of kinetic energy )
保存力場から力をうけて運動している質点mの
運動エネルギーと(任意の固定した基準点Oからみた)ポテンシャル・エネルギーの和は
保存される。
証明。
任意の時刻$t_1$から時刻 $t_2 (>0)$の間に力の行う仕事は
仕事エネルギー定理から
$W(t_1,t_2)=\frac{m\|\vec v(t_2)\|^2}{2}-\frac{m\|\vec v(t_1)\|^2}{2}$
他方で、この力は保存力なので、
この仕事は、この場から決まるポテンシャル関数Uを用いて、
$W(t_1,t_2)=U_{\vec{x}(t_2)}(\vec{x}(t_1))$
この式の右辺は、ポテンシャル関数の命題を適用すると、
任意の固定した基準点Oからのポテンシャル・エネルギーを用いて、
$=U_{O}(\vec{x}(t_1))-U_{O}(\vec{x}(t_2))$
故に
$\frac{m\|\vec{v}(t_2)\|^2}{2}-\frac{m\|\vec{v}(t_1)\|^2}{2} =U_{O}(\vec{x}(t_1))-U_{O}(\vec{x}(t_2))$
式を整頓すると、
$\frac{m\|\vec{v}(t_2)\|^2}{2}+U_{O}(\vec{x}(t_2)) =\frac{m\|\vec{v}(t_1)\|^2}{2}+U_{O}(\vec{x}(t_1))$
証明終わり。

複数の質点がつくる保存力場 

今までは、保存力場が不変であり、その場の中も質点が受ける力の性質について考えてきた。
このような限定をつけても応用範囲はかなりある。
例えば、太陽の周りの惑星の運動などでは、太陽の質量が大きく、惑星からの万有引力を受けてもほとんど動かない。
このため不動の太陽の作る万有引力場(保存力場)を考え、そのなかで惑星運動の解析をすることは有用である。
ところが、質量に大差がない複数の星が万有引力で互いに引き合いながら運動する場合には、
関与する星はすべて万有引力により運動するため、適用不可である。
そこでこれらにも適用できるよう、多数の質点の作る保存力(場)について考察しよう。
質量 $m_i$(i=1,2,,,N) のN個の質点を考え、質点 $m_i$ と略称する。
適切な慣性系を選び、各質点$m_i$ の位置ベクトルを $\vec{r^i}$(i=1,2,,,N)とおく。
質点同士は、互いに万有引力を及ぼしあうとする。(注参照のこと)
質点$m_i$ が 質点$m_j$$(j=1,\cdots,N.j\neq i)$からうける力 $\vec{f^{(i,j)}}$ は両者の位置だけの関数で、
$\vec{f^{(i,j)}}=\vec{f^{(i,j)}}(\vec{r^i},\vec{r^i}) =G\frac{m_im_j}{\|\vec{r^j} - vec{r^i}\|^2}\frac{\vec{r^j} - \vec{r^i}}{\|\vec{r^j} - \vec{r^i}\|}$
質点$m_i$ は、自分以外のすべての質点から万有引力をうけるが、それらは足しあわせることができ、
質点 $m_i$ に働く万有引力の合力は
$\vec{F_G^i}(\vec{r^1},\cdots,\vec{r^N})=\sum_{j=1,\cdots,N,j\neq i}\vec{f^{(i,j)}}$
$=\sum_{j=1,\cdots,N,j\neq i}G\frac{m_im_j} {\|\vec{r^j} - \vec{r^i}\|^2} \frac{\vec{r^j} - \vec{r^i}}{\|\vec{r^j} - \vec{r^i}\|}\qquad (1)$

(注)5章で学ぶ電荷間の電気力も同様に扱える。

補題
(1)$\frac{\partial }{\partial \vec{r^i}}\frac{1}{\|\vec{r^j}-\vec{r^i}\|} :=\left(\frac{\partial }{\partial {r^i}_1}\|\vec{r^j}-\vec{r^i}\|^{-1}, \frac{\partial }{\partial {r^i}_2}\|\vec{r^j}-\vec{r^i}\|^{-1}, \frac{\partial }{\partial {r^i}_3}\|\vec{r^j}-\vec{r^i}\|^{-1}\right)^T$
$\qquad =\frac{\vec{r^j}-\vec{r^i}}{\|\vec{r^j}-\vec{r^i}\|^3}\qquad (2)$
ここで、${r^i}_k$(k=1,2,3)はベクトル $\vec{r^i}$ の第k成分のこと。
$(a_1,a_2,a_3)^T$ は 横ベクトル$(a_1,a_2,a_3)$ を縦ベクトルに変換したもの。
(2) $U(\vec{r^1},\vec{r^2},\cdots,\vec{r^N}):=-\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1,2,\cdots,N,j\neq i}Gm_{i}m_{j}\|\vec{r^j}-\vec{r^i}\|^{-1}$ で関数$U$ を定義すると、
$\qquad \vec{F_G^i}=-\frac{\partial U}{\partial \vec{r^i}}\quad (i=1,2,\cdots,N)\qquad (3)$
証明;
(1) 第一成分の計算。
$\frac{\partial }{\partial {r^i}_1}\|\vec{r^j}-\vec{r^i}\|^{-1} =\frac{\partial }{\partial {r^i}_1} \left( \sum_{k=1}^{3}(r^{j}_{k}-r^{i}_{k})^{2} \right)^{-1/2}$
合成関数の微分の公式により、
$=-\frac{1}{2} \left( \sum_{k=1}^{3}(r^{j}_{k}-r^{i}_{k})^{2} \right)^{-3/2}$ $2(r^{j}_{1}-r^{i}_{1})(-1)$
$=\left(\sum_{k=1}^{3}(r^{j}_{k}-r^{i}_{k})^{2}\right)^{-3/2}(r^{j}_{1}-r^{i}_{1})$
$=\frac{r^{j}_{1}-r^{i}_{1}}{\|\vec{r^j}-\vec{r^i}\|^3}$
第2、第3成分の計算も同様にできて、所望の結果を得る。
(2)$\frac{\partial U(\vec{r^1},\vec{r^2},\cdots,\vec{r^N})}{\partial \vec{r^i}} =-\sum_{j=1,2,\cdots,N,j\neq i}Gm_{i}m_{j}\frac{\partial}{\partial \vec{r^i}}\|\vec{r^j}-\vec{r^i}\|^{-1}$
式(2)を代入すると、
$=-\sum_{j=1,2,\cdots,N,j\neq i}Gm_{i}m_{j}\frac{\vec{r^j}-\vec{r^i}}{\|\vec{r^j}-\vec{r^i}\|^3}$
式(1)を代入すると、
$= -\vec{F_G^i}$
補題の証明終わり。

前項「力の場が保存的である必要十分条件」の(1)式とこの補題から、
関数$U(\vec{r^1},\cdots,\vec{r^n})$は、
各質点に作用する万有引力$\{\vec{F_G^1},\cdots,\vec{F_G^N}\}$の ポテンシャル関数とみなせることが推察できる。
そこで次の定義を与える。

定義。N個の質点 $m_i$(i=1,,,N) のそれぞれに作用する力
$\vec{F^i}(\vec{r^1},\cdots,\vec{r^N})$ の集まり
$\{\vec{F^i}(\vec{r^1},\cdots,\vec{r^N})\}_{i=1}^{N}$が保存力とは、
$\vec{F_G^i}=-\frac{\partial U}{\partial \vec{r^i}}$
が成立するような連続的微分可能な関数
$U(\vec{r^1},\cdots,\vec{r^n})$
が存在すること。
この時、関数$U$を、
$\{\vec{F^i}(\vec{r^1},\cdots,\vec{r^N})\}_{i=1}^{N}$ の ポテンシャル関数と呼び、
関数値$U(\vec{r^1},\vec{r^2},\cdots,\vec{r^N})$ を 質点系のポテンシャルエネルギーと呼ぶ。

力学的エネルギーの保存則 

定義;
運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和
$\sum_{i=1}^{N}\frac{m_i}{2} \| \vec{v^i}(t) \|^2 + U(\vec{r^1}(t),,,\vec{r^N}(t))\qquad(7) $
を、質点系$m_i(i=1,2,,,N)$ の力学的エネルギーという。

定理;力学的エネルギーの変化量
各質点$m_i$(i=1,2,,,N) に万有引力 $\vec{F_G^i}$ 以外に、外力 $\vec{f^i}$ が作用する時
これらの外力が時刻 $t_1$から $t_2$ の間になす仕事 $W_e=\sum_{i=1}^{N}\int_{t_1}^{t_2}\vec{f^i}(t)\cdot \vec{v^i}(t)$ は、質点系の力学的エネルギーの増加に等しい。
式で書くと、
$W_e=\left(\sum_{i=1}^{N}\frac{m_i}{2}\|\vec{r^i}(t_2)\|^2+U(\vec{r^1}(t_2),,, \vec{r^N}(t_2)) \right)-\left( \sum_{i=1}^{N}\frac{m_i}{2}\|\vec{r^i}(t_1)\|^2+U(\vec{r^1}(t_1),,,\vec{r^N}(t_1)) \right)\qquad (4)$
証明;
質点 $m_i$ に働く合力は $\vec{F^i}=\vec{F_G^i}+\vec{f^i}$なので、
仕事・エネルギー定理より、
力 $\vec{F^1},,,,\vec{F^N}$ が時刻 $t_1$ から $t_2$ までになす仕事
$W=\sum_{i=1}^{N}\int_{t_1}^{t_2}\vec{F^i}(t) \cdot \vec{v^i}(t)dt$ は
$W=\sum_{i=1}^{N}\frac{m_i}{2} \|\vec{v^i}(t_2)\|^2-\sum_{i=1}^{N}\frac{m_i}{2}\|\vec{v^i}(t_1)\|^2 \qquad (5)$
他方、
$W=\sum_{i=1}^{N}\int_{t_1}^{t_2}\vec{F^i}(t) \cdot \vec{v^i}(t)dt$
$=\sum_{i=1}^{N}\int_{t_1}^{t_2}\vec{F_G^i}(t) \cdot \vec{v^i}(t)dt +\sum_{i=1}^{N}\int_{t_1}^{t_2}\vec{f^i}(t) \cdot \vec{v^i}(t)dt$ 
式(3)を代入して、
$=-\sum_{i=1}^{N}\int_{t_1}^{t_2}\frac{\partial U}{\partial \vec{r^i}}\cdot \vec{v^i}(t)dt +W_e$
ここで、
$\frac{dU(\vec{r^1}(t),,,\vec{r^1}(t))}{dt} =\sum_{i=1}^{N}\frac{\partial U}{\partial \vec{r^i}}\cdot \vec{v^i}(t)$なので、
$=-\int_{t_1}^{t_2}\frac{dU(\vec{r^1}(t),,,\vec{r^1}(t))}{dt}dt +W_e$
$=-[U(\vec{r^1}(t),,,\vec{r^1}(t))]_{t_1}^{t_2}+W_e$
故に、$W=-[U(\vec{r^1}(t),,,\vec{r^1}(t))]_{t_1}^{t_2}+W_e$
式(5)を上式に代入して整頓すると、
$W_e=\left( \sum_{i=1}^{N}\frac{m_i}{2} \|\vec{v^i}(t_2)\|^2 +U(\vec{r^1}(t_2),,,\vec{r^N}(t_2)) \right) -\left( \sum_{i=1}^{N}\frac{m_i}{2}\|\vec{v^i}(t_1)\|^2 +U(\vec{r^1}(t_1),,,\vec{r^N}(t_1)) \right) \qquad (6)$
証明終わり。

系;相互作用が保存力である質点系の力学的エネルギーは保存される。
(注)保存力場の中の質点(系)の運動でも、摩擦のある場合には、この定理とその系は成り立たない。
なぜだろうか。
動摩擦力は、運動中に一定の力で運動の逆方向に働く。このため運動は減速をうけ続け、エネルギーを失い続けるためである。

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