物理/波動

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物理8章 波動

安定している物体(媒質と呼ぶ)はわずかな乱れが与えられると元にもどろうとするが、慣性があるので戻りすぎ、これをくりかえして振動が生じ(波源という)、これが媒質の各部の相互作用により、周りの媒質の振動を引き起こし、波動が伝わっていく。これが波動(波)である。身の回りには色々な波が良く見られる。音波は空気の振動の伝搬であり、水波は水の振動が伝搬する現象である。光や電波も電磁波という波の一種で、空間のゆがみ(電場、磁場)の振動の伝搬である(電磁波については10章で学ぶ)。

目次

波の性質

波には色々あるが、この節では波に共通する性質を学ぶ。

振動と波

波の発生の仕組みと縦波、横波 

なお、水面波のように、縦波でも横波でもない波が存在する(水粒子は楕円軌道を描いて運動)。

単振動 

媒質の振動のうちもっとも基本的なものは単振動である。代表例は、ばねにつながれたおもりの振動。

単振動の振動数、周期と角振動数(各速度) 

正弦波 

媒質が単振動してできる波を正弦波という。

の1.1.1.1 正弦波を参照

 複雑な形の波 

一般の複雑な形の波は、周期や振幅の異なるいくつかの正弦波を重ね合わせたものと考えることができる。これについては大学で学ぶ(フーリエ解析と呼ばれる)。

波の速さと運動方程式 

気体や水や固体を伝わる波(音)の運動方程式は、媒質を小さな部分に分割してそれらの変位と周りから受ける力の関係を求め、ニュートンの運動法則を適用することで導出できる。電磁波の運動方程式は、電磁気学の法則(マクスウェル方程式)を用いて得られる。運動方程式から波の伝搬速度も得られるが、これらについては大学で学ぶ。

波の重ね合わせ

前述の波の運動方程式は線形性 をもつので、一つの波が来たときの媒質の変位 y_1 と他の波が来たときの媒質の変位が y_2 とすると、この2つの波が同時に来た時の媒質の変位 yy_1y_2となる。これを波の重ね合わせの原理という。重ね合わせて出来る波を合成波という。

波の反射と反射・屈折の法則

波面と波面の形 

波面;波の位相が等しい点をつないだ面のこと。</br> 球面波;波面が球面の波。1つの点を波源として空中を伝わる音波は、球面波となる。 平面波;波面が平面になる波。 水面を伝わる波の場合には、波面が円形のとき円形波、直線のときは平面波という。

終端における波の反射、固定端と自由端 

波が終端に進行するとそこで反射し、逆方向にすすむ。この時後続の進行波との合成波が実際の波の形となる。反射した波の形は、自由端と固定端では異なる。

を参照のこと。

波面の進行にかんするホイヘンスの原理 

あるいは

を 参照のこと。</br> この原理を用いると、波面の進行の仕方が分かり、以下の反射、屈折の法則が導ける。

反射の法則 

反射の法則;平面状の壁にあたった波は、反射する。この時、波の入射角と反射角は一致する。

この法則を、ホイヘンスの原理から導いてみよう。

屈折にかんするスネルの法則 

この法則を、ホイヘンスの原理から導いてみよう。

干渉と回折

干渉 

2つ(以上)の波が重なり合って強めあったり弱めあったりする現象で、波の重ね合わせの原理によって、分析できる。

回折 

波がその進行方向にある障害物の背後に回り込んで伝わっていく現象のことを、回折という。

 波のエネルギー

 単振動のエネルギー 

一点で正弦波を観測すると単振動。そのエネルギーは

 質量のある媒質の振動による波のエネルギー 

 電磁波(真空を媒質とする波)のエネルギー 

これについては大学で学ぶ。

音と音波

自然には色々な音波が存在し、私たちはそれを耳で音として聞く。

音波の伝わり方

音波とは、狭い意味では、空気の粗密の振動が伝わっていくものである。例えばスピーカのコーン紙が前後に振動すると、それに接する空気は最初は圧縮されて密になり、次の瞬間には引き戻されて疎になるというように粗密の振動がおきる。この振動によって、この空気にせっする空気は押されたりひかれたりして粗密の振動がおこり、次々に空気の粗密の振動が伝わっていく。

 音波は縦波 

なぜ音波に横波はないのか、考えてみよう。 ==== 音波の速さ ==== 

ドップラー効果

救急車などが通り過ぎる際、近付くときにはサイレンの音が高く聞こえ、遠ざかる時には低く聞こえる。このような現象をドップラー効果という。詳しくは

ドップラー効果が何故生じるのか、考えてみよう。 === 固有振動と共鳴 === 

=

光と光波

光の伝わり方

レンズによる屈折

光の干渉と回折

 ヤングの干渉実験 

 回折 

光は波長が非常に短いのであまりはっきりした回折をおこさず、直進するようにみえる。そのため、粒子説も唱えられた。 しかし、十分にせまい隙間(スリット)をつくり、そこに光を通すと、回折の結果、光はスリット幅より広がりぼんやりとして、回折していることがわかる。

 回折格子 

格子状のスリットによる回折を利用して干渉縞を作ることができる。

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