物理/☆☆線形代数
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+ | 今までの議論をもとに、我々の住む空間の数学的な定義を与える(注参照)。<br/> | ||
+ | まずn次元内積空間の定義を与え、この空間の簡単な性質について説明する。<br/> | ||
+ | これは、空間のある点からみた他の点を、その方向と距離で定める時に必要になる。 | ||
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+ | 直線、平面、長さや角度、平面の向きの定義を行い、その基本的性質を示す。<br/> | ||
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+ | 我々の住む空間は3次元だが、数学的には何次元の場合も同じように扱えるので、<br/>以下ではn次元空間で説明する((n∈{0}∪N)。<br/> | ||
+ | 参考文献<br/> | ||
+ | 斎藤正彦 線形代数入門 東京大学出版会 | ||
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+ | 定義<br/> | ||
+ | Sを非空の集合、Vをn次元内積空間とする。<br/> | ||
+ | SとVの順序対(S,V)が次の3条件を満たすとき、n次元ユークリッド空間という。<br/> | ||
+ | (1)Sの任意の2元P,Qの作る順序対(P,Q)に対してVの唯一の元aが対応する。<br/> | ||
+ | このaを¯(PQ)と書く。<br/> | ||
+ | (2)$(\forall P\in S),(\forall a\in V),(\exists_{1} Q \in S)(\overline{(PQ)}=a)$<br/> | ||
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+ | (注) ユークリッド空間(S,V)は、単にユークリッド空間Sと略記されることが多い。<br/><br/> | ||
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+ | ユークリッド空間(S,V)におけるVを、Sに付随する計量空間という。<br/> | ||
+ | またSの元を点、Vの元をベクトルという。<br/><br/> |
2024年8月23日 (金) 13:03 時点における最新版
目次[非表示] |
線形代数
線形空間
線形空間(ベクトル空間)
計量線形空間
定義
Kを実数の集合(実数体)あるいは複素数の集合(複素数体)とする。
K上の線形空間Vの任意の2元 x, y に対して
内積と呼ぶKの元(x,y) が定まり、次の性質を持つとき、
計量線形空間(metric linear space)あるいは内積空間(inner product space)という。
(1)(x,y1+y2)=(x,y1)+(x,y2)
(x1+x2,y)=(x1,y)+(x2,y)
(2) (cx,y)=c(x,y),(x,cy)=¯c(x,y)
(3) (x,y)=¯(y,x)
(4) (x,x)∈R, (x,x)≥0,
(x,x)=0⇔x=0
固有値と固有ベクトル
wikibooks_ja(線型代数学/固有値と固有ベクトル)
ジョルダンの標準形
我々の住む空間の数学的公理化
今までの議論をもとに、我々の住む空間の数学的な定義を与える(注参照)。
まずn次元内積空間の定義を与え、この空間の簡単な性質について説明する。
これは、空間のある点からみた他の点を、その方向と距離で定める時に必要になる。
これをもとにして我々の住む空間の数学モデルであるユークリッド空間の公理を与える。
この空間のなかに
直線、平面、長さや角度、平面の向きの定義を行い、その基本的性質を示す。
これを進めると、ユークリッド幾何学が建設できる。
我々の住む空間は3次元だが、数学的には何次元の場合も同じように扱えるので、
以下ではn次元空間で説明する((n∈{0}∪N)。
参考文献
斎藤正彦 線形代数入門 東京大学出版会
ユークリッド空間
定義
Sを非空の集合、Vをn次元内積空間とする。
SとVの順序対(S,V)が次の3条件を満たすとき、n次元ユークリッド空間という。
(1)Sの任意の2元P,Qの作る順序対(P,Q)に対してVの唯一の元aが対応する。
このaを¯(PQ)と書く。
(2)(∀P∈S),(∀a∈V),(∃1Q∈S)(¯(PQ)=a)
(3)a=¯(PQ),b=¯(QR)⇒a+b=¯(PR)
(注) ユークリッド空間(S,V)は、単にユークリッド空間Sと略記されることが多い。
定義
ユークリッド空間(S,V)におけるVを、Sに付随する計量空間という。
またSの元を点、Vの元をベクトルという。