会社法・企業倫理/環境へ与えるインパクト
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概要
20世紀は一般的に「大量生産・大量消費・大量廃棄」の時代であったと言われている. しかし地球上に存在する資源には限界があり,21世紀の今日,企業は資源をより効果的かつ効率的に 使用することにより「資源生産性」を向上させる必要がある.
企業経営は「サステナビリティ(=持続可能性)」に配慮し実施しなければならない. サステナビリティの概念は非常に広い.企業を対象にした研究(T. Dyllick, K. Hockerts によればサステナビリティには 3 つの重要な要素があるとし、①トリプル・ボトムラインにお ける経済・環境・社会の側面の統合・調整する、②短期的・長期的な側面を統合・調整する、 ③収入を消費し、資本(経済資本、自然資本、社会資本)を消費しない、という 3 点があげら れている(Dyllick and Hockerts[2002]pp.131-132)。またサステナビリティの概念の拡張と して、経済的サステナビリティ(Economic Sustainability)、環境的サステナビリティ(Environmental Sustainability)、社会的サステナビリティ(Social Sustainability)という 3 つの次元を 示している。 よって本稿では、サステナビリティとは、「現在の経済的利益に偏重した成長・発展するので はなく、現在・将来の環境や社会的な側面を配慮することにより、将来的にも継続して経済的 成長・発展させること」と定義づけする。そこで企業経営者がサステナビリティに配慮した経 営(サステナブル経営)を行う際に、コスト・マネジメント手法は貢献することは可能だろう か。とりわけ今後さらなる大きな成長をするであろう東アジア企業において、「環境」と「経 済」を両立することができるコスト・マネジメント手法の適用可能性について検討する。より 具体的に言えば、企業のサステナブル経営を支援するコスト・マネジメント手法として、マテ リアルフローコスト会計(Material Flow Cost Accounting:MFCA)とサステナビリティ・バ ランスト・スコアカード(Sustainability Balanced Scorecard:SBSC)の 2 つの手法を取り上 げ、紹介していく。
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参考文献
- [r1] 岡 照二 (2011)『持続可能な社会における東アジア企業のコスト・マネジメント手法の展開』関西大学 経済・政治研究所 第193回産業セミナー (2011年11月16日)
- [r2] Dyllick, T and Hockerts, K. (2002), Beyond the Business Case for Corporate Sustainability, Business Strategy and the Environment, 11,(2), pp.130-141.