物理/波動

提供: Internet Web School

(版間での差分)
(本章の目次)
 
(間の46版分が非表示)
1 行: 1 行:
[[物理]]
[[物理]]
-
> [[物理/波動|8章 波動]]
+
> [[物理/波動|波動]]
-
安定している物体(媒質と呼ぶ)はわずかな乱れが与えられると元にもどろうとするが、慣性があるので戻りすぎ、これをくりかえして振動が生じ(波源という)、これが物体の各部の相互作用により、周りの媒質の振動を起こし、波動が伝わっていく。これが波動(波)である。身の回りには色々な波が良く見られる。音波は空気の振動の伝搬であり、水波は水の振動が伝搬する現象である。光や電波も電磁波という波の一種で、空間のゆがみ(電場、磁場)の振動の伝搬である(電磁波については10章で学ぶ)。
+
-
== 波の性質==
+
= 4章 波動 =
-
波には色々あるが、この節では波に共通する性質を学ぶ。
+
一般に物体や空間内の一点,あるいはある部分に生じた変化が、物体や空間全体に伝わる現象を波(波動)という。<br/>  
 +
波を起こす源になる最初の変位(箇所)を波源という。
 +
波を伝える物体のことを、(波の)'''媒質'''という。<br/> 
 +
私たちは色々な波のなかで暮らしている。<br/>  
 +
目にはいろいろな光(光波)が入ってきて、まわりの物が見える。<br/>
 +
様々な音(音波)が絶えず耳に入ってくる。<br/>
 +
携帯電話やスマホなどは、電磁波を利用して、映像や音を伝える。<br/>
 +
この章では、物質を[[wikipedia_ja:連続体 |連続体]]とみなして、<br/>
 +
これらの波動の基本的な性質を学ぶ。<br/>  
-
=== 振動と波===
+
主要なテキストは、下記のウィキブックス(高校物理の波)である。<br/>  
-
*[[wikipedia_ja:波動|ウィキペディア(波動)]]
+
*[[wikibooks_ja:https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%90%86%E7%A7%91_%E7%89%A9%E7%90%86I_%E6%B3%A2|波(ウィキブックス)]]
-
=== 波の発生の仕組みと縦波、横波 ===
+
さらに初等的な事柄については、中学校の理科のウィキブックスをご覧ください。
-
*[[wikipedia_ja:縦波と横波|ウィキペディア(縦波と横波)]]
+
*[[wikibooks_ja:中学校理科 第1分野/光と音|中学校理科 第1分野/光と音(ウィキブックス) ]]
-
=== 単振動 ===
+
なお、本テキストでは、<br/>
-
媒質の振動のうちもっとも基本的なものは単振動である。代表例は、ばねにつながれたおもりの振動。
+
分子の運動として波を見るミクロな視点と対比して、巨視的視点を述べ、<br/>
-
*[[wikipedia_ja:自由振動|ウィキペディア(自由振動)]] の 1 単振動 参照。
+
(1)ミクロの視点では、波は複雑すぎて、解析が困難になること、<br/>
-
====単振動の振動数、周期と角振動数(各速度) ====
+
(2)波の解析には、媒質を連続体として扱う巨視的視点が不可欠であること<br/>
-
*[[wikipedia_ja:振動数|ウィキペディア(振動数)]]
+
(3)巨視的視点の限界<br/>
-
=== 正弦波 ===
+
が、わかるように、要点を簡単に記述する。<br/>
-
媒質が単振動してできる波を正弦波という。
+
なお、☆☆ のついた部分は、理解しにくければ飛ばしても結構です。
-
*[[Wikibooks_ja:高等学校理科 物理I 波|ウィキブックス(高等学校理科 物理I 波)]]
+
-
の1.1.1.1 正弦波を参照
+
-
==== 複雑な形の波 ====
+
-
一般の複雑な形の波は、周期や振幅の異なるいくつかの正弦波を重ね合わせたものと考えることができる。これについては大学で学ぶ(フーリエ解析と呼ばれる)。
+
-
===波の速さと運動方程式 ===
+
-
気体や水や固体を伝わる波(音)の運動方程式は、媒質を小さな部分に分割してそれらの変位と周りから受ける力の関係を求め、ニュートンの運動法則を適用することで導出できる。電磁波の運動方程式は、電磁気学の法則(マクスウェル方程式)を用いて得られる。運動方程式から波の伝搬速度も得られるが、これらについては大学で学ぶ。
+
-
===波の重ね合わせ===
+
-
波の運動方程式は[[wikipedia_ja:線形性|線形性]] をもつので、一つの波が来たときの媒質の変位<tex> y_1</tex> と他の波が来たときの媒質の変位が<tex> y_2</tex> とすると、この2つの波が同時に来た時の媒質の変位<tex> y</tex>は<tex>y_1</tex>+<tex>y_2</tex>となる。これを波の重ね合わせの原理という。重ね合わせて出来る波を合成波という。
+
-
===波の反射と反射・屈折の法則===
+
= 本章の目次 =
 +
*4.1 [[物理/波の性質|波の性質]]
 +
*4.2 [[物理/音と音波|音と音波]]
 +
*4.3 [[物理/光と光波|光と光波]]
 +
*4.4 [[物理/弾性波の力学的考察|弾性波の力学的考察]]
 +
*4.5 [[物理/光と光波への補足|光と光波への補足]]
 +
読みたい節にカーソルをあて、クリックしてください。
-
====波面と波面の形 ====
+
= CAIテスト  =
-
波面;波の位相が等しい点をつないだ面のこと。</br>
+
-
球面波;波面が球面の波。1つの点を波源として空中を伝わる音波は、球面波となる。
+
-
平面波;波面が平面になる波。
+
-
水面を伝わる波の場合には、波面が円形のとき円形波、直線のときは平面波という。
+
-
====終端における波の反射、固定端と自由端 ====
+
*<span class="pops"> [[cai_ja:GENPHY00010004|CAIテストのページへ(新しいWindowが開きます)]] </span>
-
波が終端に進行するとそこで反射し、逆方向にすすむ。この時後続の進行波との合成波が実際の波の形となる。反射した波の形は、自由端と固定端では異なる。
+
-
*[[wikipedia_ja:反射|ウィキペディア(反射)]]
+
-
を参照のこと。
+
-
====波面の進行にかんするホイヘンスの原理 ====
+
-
*[[wikibooks_ja:高等学校理科 物理I 波|ウィキブックス(高等学校理科 物理I 波)]]の1.1.1.3 ホイヘンスの原理
+
-
あるいは
+
-
*[[wikipedia_ja:ホイヘンス=フレネルの原理|ウィキペディア(ホイヘンス=フレネルの原理)]]
+
-
を 参照のこと。</br>
+
-
この原理を用いると、波面の進行の仕方が分かり、以下の反射、屈折の法則が導ける。
+
-
 
+
-
====反射の法則 ====
+
-
平面状の壁にあたった波は、反射する。この時、波の入射角と反射角は一致する。
+
-
*[[wikipedia_ja:反射|ウィキペディア(反射)]]
+
-
====屈折にかんするスネルの法則 ====
+
-
*[[wikipedia_ja:スネルの法則|ウィキペディア(スネルの法則)]]
+
-
 
+
-
===干渉と回折===
+
-
====干渉 ====
+
-
2つ(以上)の波が重なり合って強めあったり弱めあったりする現象で、波の重ね合わせの原理によって、分析できる。
+
-
*[[wikipedia_ja:干渉 (物理学)|ウィキペディア(波の干渉)]]
+
-
====回折 ====
+
-
=== 波のエネルギー===
+
-
 
+
-
 
+
-
==音と音波==
+
-
 
+
-
===音波の伝わり方===
+
-
 
+
-
===ドップラー効果===
+
-
 
+
-
===色々な発音体===
+
-
 
+
-
==光と光波==
+
-
 
+
-
===光の伝わり方===
+
-
 
+
-
===レンズによる屈折===
+
-
 
+
-
===光の干渉と回折===
+
-
==== ヤングの干渉実験 ====
+
-
*[[wikipedia_ja:ヤングの実験|ウィキペディア(ヤングの実験)]]
+
-
==== 回折 ====
+
-
光は波長が非常に短いのであまりはっきりした回折をおこさず、直進するようにみえる。そのため、粒子説も唱えられた。
+
-
しかし、十分にせまい隙間(スリット)をつくり、そこに光を通すと、回折の結果、光はスリット幅より広がりぼんやりとして、回折していることがわかる。
+
-
===== 回折格子 =====
+
-
格子状のスリットによる回折を利用して干渉縞を作ることができる。
+
-
*[[wikipedia_ja:回折格子|ウィキペディア(回折格子)]]
+
-
== CAIテスト  ==
+
-
 
+
-
*<span class="pops"> [[cai_ja:GENPHY00010008|CAIテストのページへ(新しいWindowが開きます)]] </span>
+

2018年6月29日 (金) 11:13 時点における最新版

物理波動

4章 波動

一般に物体や空間内の一点,あるいはある部分に生じた変化が、物体や空間全体に伝わる現象を波(波動)という。
   波を起こす源になる最初の変位(箇所)を波源という。 波を伝える物体のことを、(波の)媒質という。
  私たちは色々な波のなかで暮らしている。
   目にはいろいろな光(光波)が入ってきて、まわりの物が見える。
様々な音(音波)が絶えず耳に入ってくる。
携帯電話やスマホなどは、電磁波を利用して、映像や音を伝える。
この章では、物質を連続体とみなして、
これらの波動の基本的な性質を学ぶ。
  

主要なテキストは、下記のウィキブックス(高校物理の波)である。
  

さらに初等的な事柄については、中学校の理科のウィキブックスをご覧ください。

なお、本テキストでは、
分子の運動として波を見るミクロな視点と対比して、巨視的視点を述べ、
(1)ミクロの視点では、波は複雑すぎて、解析が困難になること、
(2)波の解析には、媒質を連続体として扱う巨視的視点が不可欠であること
(3)巨視的視点の限界
が、わかるように、要点を簡単に記述する。
なお、☆☆ のついた部分は、理解しにくければ飛ばしても結構です。

本章の目次

読みたい節にカーソルをあて、クリックしてください。

CAIテスト